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SPOT 05

十勝グリーン・ツーリズム 畑や牧場をめぐる旅
from 帯広空港

家族でリアルな牧場を案内
麦ロール遊びや試食も
〈山岸牧場〉の酪農体験

from 北海道河東郡士幌町

SHORT TRIP Guides - 北海道の小さな旅ガイド edited by コロカル
SHORT TRIP Guides - 北海道の小さな旅ガイド edited by コロカル

“楽しさ”を通じて、
酪農がもっと身近になれば

広市街地から約30キロにある士幌町、
のんびりとした畑の風景のなかに〈山岸牧場〉はあります。同牧場は、家族経営で営む60年以上続く酪農家で、約300頭の牛を飼育しています。

「酪農をもっと知ってもらいたい」
牧場で働く家族みんなの共通の想いから、昨年2015年から酪農体験を始めました。
いわゆる“観光のための牧場”ではなく、実際の生産現場であるリアルな牧場を案内しています。

まずはつなぎを着ます。子どもから大人までサイズも充実、水色、赤、ピンク、黄色……と色もカラフルで着ただけで楽しい気分に。つなぎに着替えて長靴を履いたら、簡単なレクチャーがあります。酪農ツアーの企画をした山岸牧場の長女・北出愛さんが、牧場ではどのように過ごすのか、病気を持ち込まないために注意したいことなどを話します。

牧場の案内を担当するのは愛さんの父・山岸利明さんです。山岸牧場の牛舎をそれぞれ案内してくれます。母牛がいる牛舎では、乳の出具合によって異なるエサを与えているそう。牧草の匂いをかいでみると、草の爽やかないい匂いがします。

「牛の歯は下のほうにしかなくて、上の歯は奥のほうにしかないから、噛まれていも痛くないですよ」(利明さん) 干し草をあげると、好奇心旺盛な牛たちは一斉に顔を出します。「牛はつながれていないので、常にエサを食べたり、自由に過ごしています」

牛について詳しくなった後は、ネワラノロールで思う存分遊びます。“ネワラノロール”とは、麦で出てきたロールで麦稈(ばっかん)ロールと呼ばれています。麦の穂を刈り終えた後の小麦畑のワラをロールにして牛の寝床にするために貯蔵しているのです。

まるでジャングルジムのように積み上げられたネワラノロールの上によじ登ったり、ジャンプをしたり。これは愛さんが「子どもの頃一番楽しかった遊び」なのだそう。

「私が小さいころここでよく遊んでいたんです。いとことかくれんぼしたり、鬼ごっこしたり。危ない目にもあったりしたけれど、危険なことを自分で学んでいましたね」

安全に遊べるようにマットを敷いて上にワラをかぶせたり、ロールの積み方も工夫されています。「みんなに喜んでもらえるとうれしいから、父も弟も気合をいれてつくっています。」

自分の実体験が楽しい体験として提案できるのではないか……という確信が持てたのは研修で出会ったイタリアの酪農家の取り組みでした。

「イタリアに研修に行ったときに、麦稈ロールでトンネルをつくって遊べるような体験を提供している酪農家さんを視察したんです。自分のなかで『やったら楽しいんじゃないか』と思っていたことが外れていない、と確信しました」

酪農ツアーを始める前の年、2014年に愛さんはイタリア北部へ研修へ行き、いくつかの酪農家を訪れました。「イタリアでは生産者の方のアピールが盛んだし、それをキャッチする人も多いんです。キャッチしようという意識の人が多いから、酪農家や農場で発信する人も頑張ろうと思える」

食への関心が高く、休日には農場や牧場を訪れてゆったり過ごしたり、農場で手づくりの誕生会を開いたりと、農場をオープンにして楽しんでいるイタリアの人たち。「『農村での豊かさを伝えたい』という想いから、さまざまなアイデアでアクティビティをしているイタリアの農場をみて、自分たちの方向性を確認することができました」と愛さん。

20年前のレアなジョンディアのトラクターにも乗って、気分は牧場主。

「さぁそろそろ終わりにしてヨーグルト食べますよ〜」と愛さん。赤ちゃん牛がいる牛舎へ行くと、愛さんの母、厚子さんが待っていました。山岸牧場の自家製ヨーグルトをいただきます。

このヨーグルトは厚子さんが「うちのおいしい牛乳を自分たちで発信したい」との想いから2010年に牧場内に工房をつくり商品化されたもの。
「うちのおいしい牛乳を使って士幌から何かを発信したい……そう思って、うちの牛乳を使ったヨーグルトをつくろうと思いました。酪農家のお母さんだからこそできることが何かあるんじゃないかと思って」(厚子さん)

とはいえ、「ヨーグルトづくりにはまったくの素人だった」と話す厚子さん。何をどうしていいのかわからず、厚子さんは乳加工施設を訪ねてヨーグルトづくりの現場を視察したり、半年かけて保健所に何度も通ったりして、試行錯誤を重ねて自分の納得できる味のヨーグルトが完成したそうです。

ヨーグルトに使っているのは生乳と乳酸菌のみ。山岸牧場の搾りたての生乳を100パーセント使用し、着色料、保存料、香料などの添加物を使わず、シンプルな原料のみでてづくりされたもの。プレーンとほんのり甘いセミスイート味の2種類あります。ヨーグルトの上部にできるクリームの層が濃厚なおいしさ。牧場の牛乳のおいしさが伝わるやさしい味わいです。

ヨーグルトを食べ終わったら、子牛のミルクタイム。生まれて数日しか経っていない赤ちゃん牛に、牛用の哺乳瓶で親牛から搾った生乳を与えます。実際の哺乳時間にあげるので、ごくごくと力強く飲みます。

オプションで乳搾り体験もできます。乳搾りを担当しているのは愛さんの夫・敦人さん。パンパンに張った母牛のおっぱいを搾乳します。最初は怖がっていた子どもも、おとなしい牛の様子を見て次第に慣れました。

「母は夕日や星が綺麗とか、自然の匂いとか、そういうところに価値があると思っている人で、私も小さな頃からそういう価値観で育てられたので同じ価値を持つようになったんだと思います。2年間、札幌に出てみたら故郷を客観的に見られて、自分が育ったこの場所のよさがわかったんです。札幌で牛乳を飲んでみて、うちの牛乳がおいしかったんだってことにも気づいたんです」

日々目にする自然の美しさや毎日飲んでいた家の牛乳の味。“当たり前”として存在しているものに価値を見出す、それが牧場で日々の仕事を見てもらうという酪農体験にもつながっています。

和気あいあいとした雰囲気の山岸牧場のファミリー。

山岸牧場の酪農体験は、家族ぐるみで牧場を案内しています。
「私がひとりで考えて、私がひとりでやっている……というわけではなく、家族それぞれ役割があるんです」と愛さん。窓口や企画は愛さん、父・利明さんと弟・拓さんがネワラノロールをつくり、母・厚子さんと拓さんの奥さん・里美さんがヨーグルト、夫・敦人さんとスタッフの孝基さんが乳搾りを担当しています。

「家族やスタッフのみんながそれぞれ自分の仕事があるなかで、無理のないように手分けをしてそれぞれが担当することになりました。無理なく続けていくためです」

早朝から、牧場では家族が別々に自分の持ち場で仕事をしています。そのため、家族それぞれの予定が全部書き込まれたホワイトボードをつくり、スケジュールを共有しあっているそうです。

「私が小学生の頃から、うちの牧場では実習生を受け入れていたので、私や弟は他人が家にいることに壁がなかったんです。親も実習生を家族と同じように接していました」

山岸牧場のファミリーが総出で案内してくれる酪農体験。約2時間の体験が終わる頃には、自分も家族の一員になったようなあたたかな気持ちになれます。来年2017年以降、牧場の敷地内に宿泊できる建物を建て、牛乳を使った料理を提供したいという構想もあるそう。パワーあふれる山岸牧場ファミリーのこれからの展開も楽しみです。

※事前の完全予約制。酪農の作業の合間をぬっての体験になるので、天候や農繁期の時などは予約ができないこともあります。

Information

山岸牧場

住所 北海道河東郡士幌町字中士幌東8-115

TEL 01564-5-5003(平日・土曜 9:00〜17:00)

開催期間 5月〜9月末 14:20〜16:30

※完全予約制。農繁期などはご希望日に予約できないこともあります。

体験料 1名1800円(4名以上〜受付、2歳以下は人数にカウントされません)※乳搾り体験は、プラス1名300円

駐車場 あり

Web http://www.sakura-koubou.jp/

おすすめの立ち寄りスポット ①

糠平温泉 中村屋

ぬかびら温泉郷にある家族経営で心のこもったもてなしが評判の宿。古民家から集めた建材を使い、手作業で改装された客室、地元産の野菜や摘み草を使った夕食、ローカルな食材を丁寧に料理した朝食も好評です。ロビーにある火鉢で士幌産のポテトチップスや手づくりのスコーンやおやきを炙って食べるのもおすすめ。源泉かけ流しの温泉も肌がすべすべに。日帰り入浴も可能です。

住所 北海道河東郡上士幌町字ぬかびら源泉郷南区

TEL 01564-4-2311

料金 新和室/1泊2食付1万3110円〜、新和洋室/1泊2食付1万5270円〜

駐車場 あり

Web http://nukabira-nakamuraya.com/

(photo:yayoi arimoto)

おすすめの立ち寄りスポット ②

ナイタイ高原牧場

一面に広がるグリーンの牧草地。東京ドーム358個分という日本一広い公共牧場です。夏場には多い時で2000頭以上の牛が放牧され、青空の下、牧歌的な風景が広がります。標高800メートルの高さにある頂上の展望台からは、十勝平野を一望し、遠くは阿寒の山並みも。レストハウスで販売しているソフトクリームを片手に、のんびりピクニックできます。

住所 北海道河東郡上士幌町上音更85-2

TEL 01564-4-2224(上士幌町観光協会)

駐車場 あり

Web http://www.kamishihoro.jp/sp/naitai

photo:yumi kagawa text:team YumYum

※2016年8月の台風の影響で一部通行止めとなっている道路があります。滞在先からの交通アクセスなどを一度ご確認のうえ、お出かけください。
国土交通省北海道開発局 北海道地区道路情報

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