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SPOT 01

ノスタルジック散策
from 旭川空港

大正の建築をリノベーション
地元の歴史と縁をつなぐ
〈福吉カフェ〉

from 北海道旭川市

SHORT TRIP Guides - 北海道の小さな旅ガイド edited by コロカル
SHORT TRIP Guides - 北海道の小さな旅ガイド edited by コロカル

抹茶とあんこを組み合わせた
名物、福吉らて

〈旭川八景〉のひとつ、1932年製のアーチが美しい旭橋は、旭川のシンボル。大雪山系を背に石狩川にかかる旭橋のたもとには、買物公園方面へ続く常盤通が伸びています。

牛朱別川の流れていた地域を埋め立ててできた常盤通はかつて旭川に駐屯していた陸軍第七師団に続く道で、路面電車が走り、多くのお店がにぎわいを見せる、旭川を代表する商店街でした。

2016年3月、この常盤通沿いに歴史の面影を残す軟石造りの建物が、旭川の魅力を発信する〈福吉カフェ〉として新たなスタートを切ります。

もとは製粉所として大正時代に建てられた店舗は堂々たる佇まい。福吉カフェの前にも、何代もの店を経てきました。明るいカラーリングの看板は、2014年に市民に惜しまれながら閉校した東海大学旭川キャンパスOBによるデザインを採用。

福吉カフェの看板メニューは、旭川市内の老舗製餡店〈福居製餡所〉のあんこと、老舗お茶屋〈吉川園〉の抹茶が出会って生まれた、彩りも美しい〈福吉らて〉(420円)です。美瑛産しゅまり小豆でつくった甘さ控えめのあんこに、厳選された上質の抹茶、そして道東の別海産牛乳。3層をしっかり混ぜると、風味のコラボレーションが絶妙なバランスで、後味もすっきり。

和洋折衷のアイディアが効いた〈トキワ焼き〉(230〜250円)。福吉らてとの相性もばっちり。

もうひとつの顔となるのが、旭橋をかたどった焼き型でつくられる〈トキワ焼き〉。もともとこの建物に入っていたまちの食堂〈常盤商店〉があつらえた特製の型を引き継ぎ、試行錯誤の末、サクサクのデニッシュ生地を使用。つぶあん、フランクフルトなど、季節によって変わる約5種の具を包んで焼き上げています。さらに新メニュー、トキワサンド2種〈サバ味噌サンド〉(390円)と〈アボカドサーモンサンド〉(420円)もお目見え。試してみたい組み合わせです。

薄い型にデニッシュ生地を敷き、具を入れてさらに生地を重ねます。これはトッピングをふりかけているところ。

でき上がりはきれいな焼き色。テイクアウトはもちろん、イートインではセットメニューもあり。

カフェではこのほかに、なんとつぶあんがたっぷり入った〈甘口キーマカレー〉(サラダつき780円)や、興部町パインランドファームの濃厚な〈牛乳ソフトクリーム〉(300円)など、オリジナルメニューがそろっています。 ひと足先にオープンしたフランチャイズ店の栃木県にある〈福吉カフェ しもつけ道の駅店〉とのコラボレーションで生まれた、〈いちごみるく〉(320円)も気になるところ。ゆったりとくつろげる店内で味わってみて。

カフェはセルフサービススタイル。タイル張りのカウンターや柱は前の常盤商店時代の名残。地元デザイナー那須日奈子さんによる常盤通グッズも販売中。那須さん作、黒板の常盤通の〈ロータリー商店会〉のイラストも必見。

ここ福吉カフェは、オーナーの海老子川雄介さんにいくつもの縁が重なって生まれました。

ひとつは、2014年に誕生していた福吉らての縁。きっかけは、次世代へ製品を発信したい福居製餡所と吉川園が、当時市内向けフリーペーパー『ライナー』の編集部にいた海老子川さんに相談を持ちかけたこと。海老子川さんはこの2社を引き合わせてプロジェクトを立ち上げ、共同で商品開発に乗り出します。

試行錯誤の末に生まれた福吉らて。市内外の催事出店でその手応えを感じていた海老子川さんですが、「僕がお店をやることになるとは思っていなかったんです」と笑って教えてくれました。

前職場は旭川市のフリーペーパー『ライナー』。独立したのは「市内向けではなく、外に向けた旭川発信をしたくて。今もライナーの後方支援をしているつもりです」

もうひとつの縁は、建物にありました。前述の〈常盤商店〉が2015年に閉店した後、歴史的建築である建物が、老朽化もあって取り壊しの危機となります。その知らせが福居製餡所の社長から海老子川さんの元へ。旭橋を観光資源として生かす〈旭橋を語る会〉の一員でもあった海老子川さんは、常盤通の顔として、この建物を守りながら受け継いでいこうと決意。そこで、“福吉らてを提供するカフェ”というコンセプトを思いつきます。

新潟県高田市出身、父親の仕事で子どものころ札幌へ引っ越した海老子川雄介さん。飄々としつつも情熱を隠さない人柄のためか、海老子川さんのもとにはさまざまな相談が舞い込んでくるそう。

「古い建物なので残っていなかった図面をおこすところから始めました。仕事で店舗デザインもしてきたので、店づくりは自社制作にこだわり、できることは自分たちで手がけました」

現在は独立し、マーケティングの会社を運営する海老子川さん。本業と並行しての店づくりやカフェ運営は予想以上に大変だったものの、「ここまで進んでこられたのも周りの人のおかげ。たくさんの方に協力してもらえて今があります」と力を込めます。地元の方たちもお店を何かと気にかけて、応援してくれているそう。

大正時代の1925年築の歴史的建物の雰囲気を生かした店内。もとは畳敷きだったスペースを、工事の足場板を再利用したソファ席に。

「お客さんに“旭川が好きになるお店”と言ってもらえることが何よりうれしいです。目標は、タクシーの運転手さんが旭川のいいところを聞かれたときに“福吉カフェ”と答えてもらえるようになることですね」

まちの新たな顔として、次は人と人とを縁でつなぐ場所をめざす福吉カフェ。まずは旭川発のオリジナルのおいしさを味わいに来てみませんか。

Information

福吉カフェ 旭橋本店

住所 北海道旭川市常盤通2丁目1970−1

TEL 0166−85−6014

営業時間 夏期10:00〜19:00 冬期10:00〜18:00

定休日 なし

駐車場 あり

Web https://ja-jp.facebook.com/fukuyoshicafe/

おすすめの立ち寄りスポット ①

常磐公園

常盤通そば、旭川美術館や文学資料館などの施設が集まる芸術文化の拠点。〈日本の都市公園100選〉に選ばれた園内はまるで都心そばのオアシス。かつてふたつの川に挟まれた中島が市民憩いの公園へ生まれ変わって100周年を迎えます。四季折々の表情が美しい池に沿って散策するのもおすすめ。小熊秀雄詩碑ほか旭川ゆかりの碑や彫刻作品にもふれてみて。

住所 北海道旭川市常磐公園

TEL 0166−52−1934(旭川市公園緑地協会)

駐車場 あり(図書館等の施設と併用)

Web http://www.asahikawa-park.or.jp/park/synthesis/tokiwa.html

おすすめの立ち寄りスポット ②

七福弁当 鈴木商店

まちに愛されて54年、買物公園沿い七福ビル入口そばにあるボリュームたっぷりお総菜店。2代目市中さんご夫婦が早朝から愛情こめてつくる40種以上のお惣菜がずらり。店向かいの青果店や鮮魚店の新鮮食材を生かした味はどれも太鼓判。値段を伝えて詰めてもらうおまかせ弁当も。人気は〈のりメンチ〉(70円)や〈ザンギ〉(100g200円)。旅の合間に食べたい旭川の名物弁当です。

住所 北海道旭川市7条通7丁目 七福ビル1F

TEL 0166−22−3307

営業時間 8:00〜19:00

定休日 日曜

駐車場 なし

photo:minaco text:akiko yamamoto

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