facebook
GoodDay北海道 » コロカル『SHORT TRIP Guides』 » ノスタルジック散策 » 旭川の地酒づくりを大切に進化を続ける老舗造り酒屋〈高砂酒造〉

 

SPOT 02

ノスタルジック散策
from 旭川空港

旭川の地酒づくりを大切に
進化を続ける老舗造り酒屋
〈高砂酒造〉

from 北海道旭川市

SHORT TRIP Guides - 北海道の小さな旅ガイド edited by コロカル
SHORT TRIP Guides - 北海道の小さな旅ガイド edited by コロカル

伝統の酒造りと、地域と取り組む新商品

雪山系の豊かな伏流水に育まれてきた旭川は、4つの一級河川が流れる水のまち。道内の米づくり先駆けの地でもあり、このふたつに恵まれた市内では明治期から酒造りが盛んに行われてきました。一時は15(現在市域の永山を含めると16)もの蔵元があったことから、酒造りで名高い兵庫県灘地方になぞらえ「北の灘」と呼ばれた歴史があります。

現在、市内に残る酒蔵は3軒。〈男山〉と〈合同酒精〉と、もうひとつが今回訪れた、2016年に創業117年を迎える〈高砂酒造〉。淡麗辛口ですっきりとした飲み口の〈国士無双〉シリーズをはじめ、浅井戸で汲み上げられた伏流水で仕込まれる、旭川ならではの地酒を世に送り出しています。

かつては蔵人でにぎわった旧製造工場につくられたショップには高砂酒造の全商品がずらりと並ぶほか、旭川銘菓やおすすめお土産物のコーナーが。入口から伸びる廊下沿いには、歴史の面影を残す展示を自由に見ることができます。

まちの歴史を物語るような重厚感ある木造の建物〈高砂明治酒蔵〉は、明治末期の1909年築。もともと酒蔵として使われていましたが、現在は、ショップや休憩所として利用され、蔵元限定の生酒や生絞り酒、酒粕など、ここでしか手に入らない商品に出合えます。すべてのお酒の試飲が可能なので、スタッフに声をかけてみて。飲み比べてお気に入りの味を見つけましょう。夏限定の酒粕ソフトクリーム(350円)も人気を集めています。

北海道の素材で北海道ならではのお酒をつくる。それが、高砂酒造が明治の創業以来大切にしている思いです。道産の酒造好適米が増えた今、高砂酒造で使われる酒米の約6割が道産酒米。つくり手である杜氏や蔵人も地元旭川出身者を多く採用しているそうです。

左・火を通さない生酒は蔵元限定販売。〈純米大吟醸酒 蔵酒一番搾り〉(720ml・2857円)中・道産酒米〈彗星〉100%。〈純米大吟醸 国士無双 北海道限定〉(720ml・2080円)右・道産酒米〈吟風〉を使用、第5回燗酒コンテスト最高金賞。〈純米吟醸 大雪〉(720ml・1507円)。

北海道ならではといえば、雪。12月、美瑛の丘で酒のタンクを100日間雪中貯蔵させてつくる〈本醸造雪中貯蔵酒 大雪〉や、新酒を詰めた斗瓶を雪中で寝かせる〈純米大吟醸 原酒 国士無双 氷雪囲い熟成〉は、風土の力を取り入れた人気商品。雪の中という安定した低温での貯蔵が、バランスがよく香りのいい酒造りにつながるのだそう。

酒を寝かせるタンク。この酒蔵部分は土蔵で、天井に地下水を回しているため夏でも17〜18℃が保たれる仕組み。

事前予約で、高砂酒造の工場見学に参加することもできます。毎日10時と15時に開催される工場見学では、高砂酒造のお酒ができるまでの解説を受けながら、1929年築で鉄筋コンクリート造りの工場を巡ります。蔵人たちが行き交う工場へ一歩入ると、すぐに日本酒のいい香りに包まれます。

「工場内は冬場になると5〜6度のなかでの厳しい仕事になります。寒仕込みをし、長期低温発酵で熟成させるという北海道ならではの酒造りを大切にしているんです」
そう教えてくれたのは、工場を案内してくれた企画部部長の廣野 徹さん。高砂酒造の酒造りは毎年10月中旬から始まるので、工場見学は冬がおすすめです。

巨大な蒸米機。ベルトコンベアーで蒸された酒米が80度の高温になって出てきます。稼働すると工場内が蒸気でいっぱいになるそう。

高砂酒造の創始者は、福島県から札幌へ入り、鉄道の開通する前年の1898年に旭川へと入植した小檜山鐵三郎さん。その翌年、酒造りをやめる知人から酒造り道具一式を譲り受けたことが、前身となる小檜山酒造店の始まりでした。鉄三郎さんは地道な酒造りにはげみ、創業わずか10年で製造工場も完備された〈明治酒蔵〉を建設します。

1926年、全国新酒鑑評会で北海道初の一等賞を受賞。1965年には市内にある石崎酒造と合併し、当時つくられていた〈旭高砂〉の商品名をとり、〈高砂酒造〉となります。

明治酒蔵の建物に展示されている、小檜山酒造時代につくられた〈旭高砂〉と〈福泉〉。

代表銘柄は、1975年の発売以来高砂酒造の名を世に知らしめ、人気を博してきた国士無双。発売当時は甘口の酒が主流のなか、北海道らしい酒造りを追求し、辛口タイプでキレのいい国士無双が誕生しました。中国の史記にある国士無双の言葉にあやかり、「この世にふたつとないおいしい酒となるように」と三代目が名づけたのだそう。

左・旭川在住イラストレーターあべみちこさんとのコラボ商品はお土産にぴったり。〈純米酒 ずZOOっと旭山セット〉(各180ml3本1200円)。中・麹だけなのに驚きの甘さが大好評。〈麹で作る吟醸甘酒〉(200g・320円)。左・水戸の梅酒大会で醸造梅酒部門金賞受賞。〈国士無双 梅酒〉(720ml・1300円)

国士無双シリーズは限定販売のお酒も合わせて17銘柄を数え、近年は淡麗辛口の風味を生かしたさまざまな商品が開発されています。清酒・国士無双に漬け込んだ梅と、北海道産ビートオリゴ糖の甘みが絶妙にマッチした梅酒〈国士無双 梅酒〉は大人気。旭川市内の伊勢ファームでつくられている〈江丹別の青いチーズ〉とコラボレーションした酒粕ブルーチーズの販売も12月から、伊勢ファームと高砂酒蔵で販売スタート。

東旭川での酒米づくりから始め、旭川市民とかかわりながらつくられた〈純米吟醸酒 農家の酒〉(720ml 1713円※2016年分完売)も、新しい試みのひとつです。

パネルを手に、アナウンサー顔負けの流れるような酒蔵案内をしてくれた廣野徹さん。後ろに見えるのは、蒸米と麹米と水を酒母で発酵させるタンク。

今回お話をうかがった廣野さんは横浜出身。学生時代の旅がきっかけで、いずれ北海道に暮らしたいという思いを叶え、高砂酒造に2001年に入社。季刊発行の広報誌『蔵だより』をスタッフとともにつくり始め、髙砂酒造のさまざまな情報を発信 。伝統の酒造りを守る一方、積極的に新しい商品の開発も手がけています。

「高砂酒造は歴史ある酒蔵ですが、新しいことにも挑戦できる環境があるんです。これからも、やれることはたくさんあると思っています」と力を込めます。
高砂酒造の長い歴史に裏打ちされた技術力と酒造りへの誇りは、つくられるお酒ひとつひとつに宿っています。旭川の地酒を味わいに、訪れてみてはいかがでしょうか。

入り口脇の鹿おどし。酒の仕込みに使われる伏流水を気軽に味見できます。明治酒蔵裏手には、自由に伏流水を汲める蛇口も。

Information

高砂酒造

住所 北海道旭川市宮下通17丁目

TEL 0166−23−2251

明治酒蔵アンテナショップ

営業時間 9:00〜17:30

定休日 年末年始

工場見学 10:00、15:00スタート(各回定員10名、無料)

※要予約、電話またはサイトの専用フォームより3日前までに予約

電話予約受付時間 平日8:30〜16:00

駐車場 あり

Web http://www.takasagoshuzo.com/

おすすめの立ち寄りスポット ①

江丹別の青いチーズ

旭川市内から車で約40分。北部の江丹別(えたんべつ)にあるのは、放牧牛で知られる〈伊勢ファーム〉。なかでも新鮮牛乳からつくられるブルーチーズ〈江丹別の青いチーズ〉は、ミルクの深いコクに香ばしい青カビが絶妙なおいしさで国内外から高い評価を受ける逸品。手がけるのは新得共働学舎とフランスでチーズづくりを学んだ若き二代目伊勢昇平さん。ファーム内〈Cow&Calf〉ほかJAあさがお神楽店や永山店などで数量限定販売。

伊勢ファーム Cow&Calf

住所 北海道旭川市江丹別町拓北214

TEL 0166−73−2148

営業時間 平日13:00~17:00 土曜・日曜・祝日10:00~18:00

営業期間 4〜10月(冬期休業)

駐車場 あり

Web https://ja-jp.facebook.com/etanbetsu.blue/

おすすめの立ち寄りスポット ②

旭川市博物館

旭川駅からほど近い大雪クリスタルホール内2フロアにわたる趣向を凝らした展示から、今の旭川につながる歴史をたどることができます。アイヌ民族専門の考古学者、瀬川拓郎館長によるアイヌ研究や北方民族コレクションが見応えたっぷりの1F、旭川を中心に上川地方の文化や自然、地質学まで広く体感できるB1F。ササでできたチセ(家)や屯田兵屋、吹き抜け中央のシンボル樹木も必見。

住所 北海道旭川市神楽3条7丁目(大雪クリスタルホール内)

TEL 0166−69−2004

開館時間 9:00〜17:00(入館受付は16:30まで)

休館日 10月〜5月の毎月第2・第4月曜(祝日に当たる場合はその翌日)・年末年始(12月30日〜1月4日)

入館料 大人300円、高校生200円、小中学生無料

駐車場 あり

Web http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/hakubutukan/

photo:minaco text:akiko yamamoto

SHORT TRIP Guides
北海道の小さな旅ガイド
トップ →

空港で選ぶ、週末トリップ
from 旭川空港
ノスタルジック散策
トップ →

WEEKEND TRIP

ノスタルジック散策 from 旭川空港

PAGETOP
Copyright 2015
公益社団法人 北海道観光振興機構