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SPOT 03

ノスタルジック散策
from 旭川空港

昭和の雰囲気が残る小路で1杯
受け継がれる味を旅の思い出に
〈5・7小路ふらりーと〉

from 北海道旭川市

SHORT TRIP Guides - 北海道の小さな旅ガイド edited by コロカル
SHORT TRIP Guides - 北海道の小さな旅ガイド edited by コロカル

地元に愛される、
老舗焼き鳥屋とラーメン屋

川に来たら楽しみたいことのひとつが、はしご酒。内陸に位置しながら北海道中の食材が集まる土地柄もあり、飲食店・居酒屋・カクテルバーがひしめき合う旭川の駅周辺をぶらりと歩けば、気になるお店が目に飛び込んでくるはず。

レトロなまちの風情を味わうなら、JR旭川駅前から伸びる買物公園を5条本通で左にまがると、昭和の雰囲気を感じられる老舗の焼き鳥屋やラーメン屋など小さなお店がひしめき合う小路〈5・7小路ふらりーと〉が待っています。

日暮れて小路に灯りがともる頃、今日ものれんをくぐるお客さんたちの姿があちらこちらに。お店ごとにつくられた行灯も風情を添えます。

飲食店を中心に18のお店が集まるこの通りは、大正末期から中央卸売市場として栄えた地区。戦後は歓楽街の一角を担い、現在は飲み屋街として親しまれる小路は2度の大火を乗り越え、時代とともに姿を変えながら人々を迎えてきました。

2001年、前年の火災で打撃を受けた小路に活気を取り戻そうと、4人の店主が活性化事務局を結成。最初に手がけた小路の愛称の公募から、〈5・7小路ふらりーと〉の名が誕生します。

「その翌年からスタートした〈ふらりーと夏祭り〉は、地元名物の祭りになって今年で14年目となりました」。そう語ってくれたのはふらりーとの中にある美容室〈ヘアサロン愛land〉店主で、小路活性化事務局長の幅 成吾さん。活動の甲斐あって、この小路の存在は旭川のまちにはもちろん、観光で訪れる人にも定着し始めています。

小路のなかほど、飲食店では一番の歴史を誇る〈やき鳥 よしや〉。開店当時、近くにあった市場の競りが終わるとともに人が流れこんで、いつも大盛況だったそう。

ふらりーとにそっと佇む、情緒あふれる老舗を訪ねてみましょう。まずは創業89年の〈やき鳥 よしや〉へ。引き戸を開けると、タイムスリップしたかのような昭和の世界が広がります。

店の歴史を物語る、角の丸くなったカウンター。隣の元駄菓子屋さんだったスペースを改築した小上がり席や個室も。

よしやのメニューはシンプルに焼き物のみ。旭川名物、若鶏半身焼きの〈新子〉(1100円)や豚一枚肉を焼いてタレでいただく〈チャップ〉(600円)はもちろん、とりもつやかしわ(いずれも4串500円)も人気。このほかに夏期限定でどじょう料理の柳川鍋やすずめ焼き、冬期はうずら焼きがメニューに加わります。

まちの記憶を刻んだ焦げ茶色の店内で、ゆっくりと杯を傾けて。

香ばしく焼き上がったチャップは、白いごはんともよく合います。

香ばしい焼き具合に甘辛のタレが絶妙にからむかしわは、名入りの土瓶からコップになみなみと注がれる清酒(1合500円)と一緒に。

創業以来受け継がれる秘伝のタレ。女性たちが代々レシピを守り、昔と同じはかりや大鍋を使って一度に1升瓶10本分もつくるのだそう。

入り口横で焼き物に向かうのは、3代目の阿部芳三さん。義理の祖父にあたる初代は、市内デパートの洋品部出身で、独立して洋品店を開いたのち焼き鳥屋へ転向、1927年によしやを創業。1946年、現在の場所へ移ってきました。
「戦後はものがない時代だったから、おでんを出していたこともあるんですよ」と阿部さんは教えてくれました。

「子どもの頃、10円を持って焼き鳥を買いに行ったら、初代がポンとよこしてくれたのがレバー串。当時は焼き鳥といえばレバーだったんですよ」長い店の歴史を穏やかに語ってくれた阿部芳三さん。

柔和な笑顔の阿部さんですが、「ほかのお店はライバルと思っていないんです。ライバルはあくまでも、忙しい時期の店をこなした初代と2代目。ふたりには負けないぞっていう信念で店を続けていますね」と、3代目としての矜持をのぞかせます。 初めて訪れる人も懐かしくなってしまう、よしやの佇まい。

「守れるうちはこの店を守っていこうと思っています」と笑って、阿部さんは再び焼き台に立ちました。

カウンター越しにひと息つくホール担当のお母さんたちの姿は、アットホームなお店の雰囲気そのもの。

ラーメン蜂屋の目印は、旭川の老舗〈近藤染物店〉特製、緑と赤で染め抜かれたのれん。

続いては、よしやの隣の老舗ラーメン店〈蜂屋 五条創業店〉へ。ラーメン激戦区の旭川でも広く根強いファン層をもち、今年2016年に創業70周年を迎える名店です。「初めての方は、うちの看板商品〈しょうゆラーメン〉をぜひ味わってほしいですね」と語るのは、五条創業店を切り盛りする3代目の加藤信晶さん。

活気のある調理場では、注文のラーメンが続々でき上がっていきます。

焦がしラードの効いた奥行きある味わいのスープが自慢のしょうゆラーメン(750円)。独特の味わいは、一度食べて病みつきになる人も多いそう。

とんこつベースとアジ節のだしを合わせた蜂屋のスープの決め手は、オリジナルの焦がしラード。この香りとコクが、スープの旨味をさらに引き立てます。
香ばしいスープによく絡むのが、毎朝本店工場で1日分がつくられるという、かんすい少なめの白い麺。焦がしラードはお好みで〈濃い〉と〈ふつう〉から選べます。夏は汗をかきながら、冬はしっかりあたたまりながらいただきたい名物です。

同じしょうゆラーメンを焦がしラード濃いめで。濃厚さが伝わる真っ黒なスープにもチャレンジしたい。

「うちのラーメンは、実は記憶を辿ってつくられているんですよ」と教えてくれた信晶さん。そのわけは、創業者である祖父の枝直さんが事故で記憶を失ったため、蜂屋のレシピは一度失われているからなのだそう。その後、スタッフや家族の舌の記憶とともに、お客さんほか多くの意見をもらいながら試行錯誤が続けられ、昔の味を再現したラーメンが生まれました。

チャーシューとメンマ、ネギが乗ったラーメン。好みに合わせてトッピングメニューを追加しても。

もとはアイスクリーム店から始まったという蜂屋の名は、“アイスクリームにはちみつが使われていたから”という説や“蜂が巣に帰るようにお客さんが帰ってきてくれるようあやかった”という説が有力だとか。〈はちみつアイス〉(300円)も再現され、店内で食べられるほかテイクアウトもOK。さっぱりとしたはちみつの甘みは食後のデザートにもぴったりです。

まっすぐで朗らかな加藤信晶さん。高校卒業直後に〈新横浜ラーメン博物館〉出店のタイミングでこの道に入り、腕を磨いてきました。(ラーメン博物館店は2009年で“卒業”し閉店)

信晶さんは市内で本店を営む2代目で父の直純さんとともに、今も初代の味に近づけるよう研究を重ねています。60周年を目前にして創業時の味を調べなおし、1年以上かけて復刻した〈古〉(いにしえ)を限定販売したところ、並んだお客さんの分で即完売してしまったそう。愛されるお店だということが伝わるエピソードです。

「大切にしているのは、味。今の味を続けていくことはもちろん、70年を迎えて原点回帰で味を戻すことも、うちにとっての攻めになると思っています。お客さんに『おいしかったよ』と言ってもらえることが励みになりますね」

蜂屋5条創業店では創業70周年記念し、2016年12月9日(金)・10日(土)・11日(日)の3日間(本店は12月8日のみ)、創業の味を忠実に再現した〈古〉を各日限定70食を提供します。当時使われていた鯛節をプラスしたスープを、創業時に使われていたどんぶりで提供。手間をかけた焦がしラードの絶妙な組み合わせを体験してみて。

蜂屋の文字をぐるっと囲むギザギザは蜂の巣を、屋の文字にある点はまねき猫の手を表しているそう。「祖父はなかなかのこだわりものだったようです」とは信晶さん談。

お店の数だけ物語がある、5・7小路ふらりーと。旭川で受け継がれていく歴史とおいしさを味わいに来てみませんか。

Information

5・7ふらりーと事務局
(ヘアサロン愛land内)

住所 北海道旭川市5条通7丁目右6号

TEL 0166−23−8883

やき鳥 よしや

住所 北海道旭川市5条通7丁目右6号

TEL 0166−22−1616

営業時間 14:00〜21:30

定休日 日曜

駐車場 なし

蜂屋 五条創業店

住所 北海道旭川市5条通7丁目右6号

TEL 0166−22−3343

営業時間 10:30〜19:50(夏期〜20:50)

定休日 なし

駐車場 あり

おすすめの立ち寄りスポット ①

珈琲亭 ちろる

旭川出身作家、三浦綾子さんの『氷点』の舞台にもなった旭川最古の喫茶店。スペシャルティーグレードの新豆を使った自家焙煎珈琲は焙煎度を選べる本格仕様。口当たりよく香り高い珈琲を味わいながら、歴史を重ねたレンガ壁のシックな空間に身を委ねたい。夏場は店奥の庭に面したテラス席が人気。モーニング利用もおすすめです。

住所 北海道旭川市3条通8丁目左7

TEL 0166-26-7788

営業時間 8:30〜18:00

定休日 日曜

駐車場 なし

Web http://cafe-tirol.com/

おすすめの立ち寄りスポット ②

神居古潭

〈神の里〉の意味をもち、アイヌ民族の伝承を残す渓谷。切り立った奇岩がそびえ、急流を形づくる石狩川の景観が見どころ。深い森と岩肌に神居大橋のコントラストが美しく、新緑や紅葉の名所として知られます。散策のあとは再現された旧函館本線跡の神居古潭駅舎でひと休みを。

住所 北海道旭川市神居町神居古潭

TEL 0166-25-7168 (旭川市観光課)

駐車場 あり

photo:minaco text:akiko yamamoto

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