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SPOT 01

達人案内 『北海道食べる通信』編集長 林 真由さん

フルーツのような味わい?
おいしさの桁が違う、利尻ウニ

from 利尻郡利尻町

SHORT TRIP Guides - 北海道の小さな旅ガイド edited by コロカル
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「利尻昆布だけを食べて育ったウニは、
史上最高においしいんですよ」

『北海道食べる通信』編集長の林真由さんが太鼓判を押すのは利尻島でとれるウニ。利尻島は車で1周すると1時間〜1時30分間ほどの広さの島で、利尻山をはじめ自然を存分に楽しめるスポットが多く、ウニや昆布などの海産物でもよく知られています。ウニ漁が行われるのは夏の約3か月間で、取材をしたのはまさに旬となる7月末。

林さんは、この日地元で漁獲量ナンバーワンの漁師として知られる小坂善一さんのウニ漁の様子を取材するために、神居海岸へと向かいました。

ウニ漁に使われる舟。

ウニ漁に使われるのはひとり乗りの小さな舟。小坂さんは漁場まで行くと、箱メガネで海底をのぞきながらウニを探し、網でひとつずつすくい上げていきます。漁の姿勢は独特で、顔は海面ギリギリの位置にあり、足は斜め上にあげて櫂(かい)を操るというものでした。

小坂さんのウニ漁の様子。箱メガネで海面を覗き込みウニを探します。

小坂さんは、ものの数分でいくつものウニをとっていました。その姿から、きっと海の中のそこかしこにウニがいるのだろうと想像してしまいますが、実はそうではないようです。漁の難しさを小坂さんに尋ねると「(ウニを)探せるかどうか」につきるといいます。

「海の中で昆布がなびいている状況があったとして、いつもだったらきれいになびいているのに、ある部分だけなびいていないところがある。その裏にウニがいる。海の中の違和感を常に見ているんですね」

足で櫂を操り、舟の向きを自在に変えていきます。

見えないウニを探し出す勘が漁獲量を大きく左右します。小坂さんは、どんな状態ならウニがいるのかを毎回意識的にインプットしているそうで、その積み重ねをもとに瞬時に判断しながら漁をしているそう。

とれたウニをその場で試食させてもらうことになりました。利尻のウニには、エゾバフンウニとキタムラサキウニがあり、この日小坂さんがとってくれたのは味が濃厚なエゾバフンウニでした。

とれたてのウニをその場で頂きます。この上ない贅沢!

手際よく小刀で殻を割りながら、「これ中身がパンパンにつまってて、食べたらヤバイすよ」と小坂さんはニヤリ。『食べる通信』の林さんはウニを口に入れた瞬間、満面の笑顔でこう語ってくれた。
「透き通った磯の香りがします。フルーツみたいに甘くて口の中で溶ける」

この日採れたエゾバウンウニ。利尻のウニは料亭や寿司屋に流通する高級品です。

笑顔がこぼれる林さん。「間違いなく史上最高においしいウニですね」

エゾバフンウニは昆布だけを食べて育ちます。しかも、利尻昆布は京都の料亭などには欠かせないブランド昆布。最高品質の昆布の味がウニのおいしさの秘密になっており、小坂さんによると「ほかの地域のウニとは(おいしさの)桁が違う」のだといいます。

自宅に隣接する昆布を加工するための作業場。

ウニ漁の取材の後は作業場へ移動して、林さんは取材を続けました。小坂さんはウニやナマコ、あわびといった海産物の漁だけでなく、昆布の養殖も手がけており、9月いっぱいまでは昆布の出荷作業で忙しい毎日だそう。

利尻昆布には10種類以上の等級分けがあり、その等級に合わせ選別し、サイズにカットする工程はすべて手作業。小坂さんとともに、伯父さんや奥さんなど一家総出で作業をしています。

小坂さん一家。お子さんは1歳。子育てをしながら、奥さまの麻由さんも昆布やウニの加工を行います。

昆布の選別作業をする小坂さんの向かいに座って、林さんはさまざまな質問を投げかけていました。

小坂さんが漁師になったのは26歳のとき。一時は札幌で働いていましたが、交通事故で両親を亡くしたことがきっかけとなり、父の跡を継ぎ漁師になることを決意したそうです。漁師を始めるのには遅いスタートでしたが、1年ごとに自身で目標を掲げ、3年という短期間で一人前になろうと心に決め、がむしゃらに働きました。どんなに辛いことがあろうともいっさい弱音をはかず、ナンバーワンになりたいというハングリー精神は人一倍強かったそうです。

『北海道食べる通信』の記事には、毎号おいしいものを消費者に届けるために全身全霊をかけて取り組む生産者の姿が掲載されています。私たちは、スーパーなどで誰がつくったのかわからない肉や野菜を買っていますが、ひとたび生産者のことをよく知ると、より一層食材が味わい深く感じられることがあります。

「生産者のストーリーを知ることが、食材をおいしくする最高の調味料になる」

そう林さんは語ってくれました。

昆布を選別する作業場で。「昆布のおいしさがわかる、昆布サミットを開きたい」という林さんは、情報誌の取材だけでなく、このイベントについても小坂さんと企画を練っていました。

Information

利尻島のうにとり体験

地元漁師と同じ方法でウニをとり、その場で割って食べられます(2個まで)。

期間 6月17日〜9月30日

時間 9:00〜11:00、13:00〜16:00

料金 1500円

住所 北海道利尻郡利尻町沓形 神居海岸パーク

TEL 090-6994-2255

Web http://www.town.rishiri.hokkaido.jp/kankou-annai/1047.htm

Profile

林 真由(はやし まゆ)

林さんは1979年生まれ。ヤフーを経て、2005年より出身地の十勝にある十勝毎日新聞社に勤務。2006年、新規事業として銀座コリドー街に〈お取り寄せダイニング 十勝屋〉を開店。そこで得た経験を生かそうと2015年6月『北海道食べる通信』創刊。グリーンストーリープラス代表取締役。写真は一瞬だけ顔をのぞかせた利尻富士をバックに撮影。『北海道食べる通信』http://taberu.me/hokkaido/

photo:hiroyuki kudo text:michiko kurushima

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