北海道の地名
北海道弁と一口にいっても地域差があり、札幌周辺、道南周辺、海岸部で使われる浜ことばなどさまざまです。明治時代からの入植者の出身地によっても違います。また、移住世代によってもテレビや教育の影響で大きく変化しています。標準語に近いようですが、語尾につける「~かい」「~だ」「~でした」などは、北海道弁の特徴の一つです。
独特なイントネーションもありますが、文章ではなかなか伝わりにくいもの。やはり、現地での実践を視野に入れてぜひマスターしてみてください。
基本編・語尾
- 「~かい」
- 相手に相づちを打ったり、同意を得たり、問いかけをするときに使います。
・「これで、いいのかい?」(これでいいの?)
・「明日は、晴れるのかい?」(明日は、晴れるの?)
- 「~だ」
- 物事を肯定するときのデス、マスと同じように、あるいは同意を求めるときにもに使います。
・「あ、行くんだ」(あ、行くの?)
・「そうなんだ」(そうなの?)
- 「~でした」
- 過去形ですが、過去形としてではなく丁寧な言葉として用いられることがあります。
・「おばんでした」(こんばんは)
・「鈴木でした」(鈴木です)
・「これで、よかったでしょうか?」(これでよろしいでしょうか?)
- 「~でないかい」
- 問いかけや同意を求めるとき使います。意味は「~ではないだろうか」になります。
・「母さんは、家にいるんでないかい」(母さんは、家にいるのではないだろうか)
・「明日は学校があるんでないかい」(明日は、学校<授業>があるのではないだろうか)
・「これで、いんでないかい」(これで、いいね・同意を求める)
・「この映画、つまんないんでないかい」(この映画、つまらないね・同意を求める)
- 「~しょ」
- 語尾につけて、相手に同意を求めるときに使います。ラーメンのコマーシャルでお馴染みの「うまいっしょ!」は「うまいでしょう」の意味。
・「こわいっしょ!」(疲れたでしょう)
・「寒いっしょ!」(寒いでしょう)
代表的な北海道弁
- あずましい(心地よい)
- 「この温泉は、あずましい」(この温泉は、広くて気持ちいい)
「この温泉は、あずましいんでないかい」(この温泉は、広くて気持ちいいね)
- あめる(食べ物などが腐ること、悪くなること。)
- 「この牛乳あめてるよ」(この牛乳腐ってますよ)
「ごはんあめちゃった」(ご飯痛んでしまった)
- いいふりこく(格好をつける・いいふりをする)
- 「いいふりこいてるから、失敗したんでないの?」(格好つけてるから、失敗したんじゃないの)
「かわいい子の前だからって、いいふりこいてるんでない」(かわいい子の前だからって、格好つけているんじゃない)
「あの人、いいふりこきだもね」(あの人、格好つけてるよね)
- いずい(異物感がある・心地が悪い・具合が悪い)
- 「目がいずい」(目に異物感がある)
「お腹のあたりがいずい」(お腹のあたりが、なんとなく気持ち悪い)
「この靴なんか、いずいんだよね」(この靴なんとなく、具合が悪い)
- いたましい(もったいない・惜しい)
- 「それ、まだ使えるのに投げるの?いたましいっしょ」(それまだ使えるのに捨てるの?もったいないですね)
「携帯買ったばっかりなのに落として、いたましいことした」(携帯買ったばかになのに落としてしまって、もったいないことした)
- うるかす(水に浸けておく・水に浸し湿らす)
- 「お米をといでうるかす」(お米をといで、水に浸けておいて)
「この茶碗うるかしといて」(この茶碗、水に浸けておいて)
- おがる(成長する)
- 「春になると、雑草がおがる」(春になると、雑草が成長する)
「この子は、おがるのが早い」(この子は、成長するのが早い)
- おだつ(調子に乗る・気分がハイで、興奮していつもと違う行動をする)
- 「この子、おだってるわ」(この子、舞い上がって調子に乗ってる)
「おだつんでない」(調子に乗るんじゃない)
- かっちゃく(ひっかく、掻く)
- 「猫にかっちゃかれた」(猫に引っ掻かれた)
「かさぶたかっちゃくんでない。治らないよ」(かさぶた掻くと、治らないよ)
「あの子いつもかっちゃき傷あるね」(あの子いつも引っ掻き傷があるね)
- がっさい(かっこ悪い・ボロい)
- 「がっさい車だねー。何年乗ってんの?」(ボロい車だね、何年乗っているの?)
「がっさい靴だね」(格好悪い靴ですね)
- かまかす(かき混ぜる)
- 「お風呂のお湯、かまかしておいて」(お風呂のお湯、かき混ぜておいて)
「絵の具の水をかまかす」(絵の具の水をかき混ぜる)
- きかない(乱暴な・気が強い)
- 「うちの犬、きかないんだわ」(うちの犬、気が強いんです)
「この子、きかない子なんだ」(この子、乱暴な子なんです)
「女のくせにきかないもなー」(女のくせに気が強いよなぁ。)
- げれっぱ/げっぱ(びり・最下位)
- 「運動会のかけっこはいっつもげれっぱだった」(運動会のかけっこはいつもびりだった)
「テストの成績、クラスでげっぱだったさ」(テストの成績、クラスで最下位だった)
- こっこ(動物のこども・魚類のたまご)
- 「数の子って、鰊のこっこ?」(数の子って、鰊の卵?)
「うちの犬、こっこ産んださ」(うちの犬、小犬を産んだんだ)
- こまい(細かい)
- 「そんなこまいこと言うんでない」(そんなに細かいこと言わないで)
「こまい金ある?」(小銭ある?)
「あの人はこまい」(あの人は、細かい)
- こわい(疲れた・体がだるい)
- 「風邪引いて、なんかこわいさ」(風邪を引いて、なんとなくだるい)
「いやー、こわいこわい」(いやぁ、疲れた疲れた)
「走ってきたからこわい」(走ってきたから、疲れた)
- したっけ(そうしたら・それじゃあ)
- 「そうしたら」という接続詞と軽い別れの挨拶の二通りに使います
「昨日あの店行ったんだ。したっけ休みだったさ」(昨日あの店に行ったんだ。そうしたら、休みだったの)
「あ、バス来た。したっけ、明日ね!」(あ、バスが来た。それじゃあ、明日ね)
「したっけね!」(じゃあね)
- じょっぴんかる(鍵をかける)
- 「出かける時ちゃんとじょっぴんかったかい?」(出かける時ちゃんと鍵かけた?)
「そこのじょっぴんかっといて」(そこの鍵をかけておいてちょうだい)
- たいした(すごく・とても)
- 「あの人の娘さんたいしためんこいんだってさ」(あの人の娘さんすごくかわいいんだって)
「いやー、たいした疲れたよ」(いやー、すごく疲れたー)
- たくらんけ(ばかもの・わるがき)
- 「この、たくらんけが!」(この、ばかものが!)
「イタズラばっかりして、このたくらんけ」(イタズラばかりして、この悪ガキが!)
- ちょす(いじる・かまう・さわる)
- 「それ、ちょすんでない」(それ触らないで)
「犬のこっこをちょす」(小犬をかまう)
「かさぶたちょしたら、跡残るよ」(かさぶたいじったら、跡残るよ)
- ないち(本州)
- 「北海道には内地の観光客がいっぱい来る」(北海道には、本州の観光客がいっぱい来る)
「内地の夏は暑くてねー」(本州の夏は暑くて)
「内地に遊びに行く」(本州に遊びに行く)
- なげる(捨てる)
- 「このゴミなげて」(このゴミ捨てて)
「このあたりゴミなげの日って何曜日?」(ゴミ捨ての日って何曜日?)
「あの本もうなげたの?」(あの本もう捨てたの?)
- なして(なぜ・どうして)
- 「なしてそんなこと言うのさ?」(どうして、そんなこと言うの?)
「なしてもっと早くに教えてくれなかったのさ?」(なぜもっと早くに教えてくれなかったの?)
「なしたの?」(どうしたの?)
- なまら(すごく・とても・非常に)
- 「なまら頭に来た」(すごく頭に来た)
「なまら美味いべや」(とても美味しい)
「なまら遠いっしょ」(すごく遠いんじゃない)
- はく(主に手袋に使います。てぶくろをはめる)
- 「手袋はかないと、寒いよ」(手袋はめないと、寒いよ)
「ちゃんと手袋はきなさい」(ちゃんと手袋はめなさい)
- ばくる(交換する・とりかえっこをする)
- 「それとこれ、ばくって」(それとこれと、とりかえっこして)
「このお菓子とその飴、ばくりっこしよう」(このお菓子とその飴、交換しよう)
「この服、きつい。ばくってこないとだめだわ」(この服、きつい。交換してこないといけない)
- はっちゃきこく(一生懸命・張り切る)
- 「運動会の時は、いつもはっちゃきこくよね」(運動会の時は、いつも張り切るよね)
「この仕事遅れてるから、はっちゃきこいてやるべ」(この仕事遅れているから、一生懸命やりましょう)
- はんかくさい(マヌケな・バカみたいな・情けない)
- 「今日滑って転んださ、いやー、はんかくさいね」(今日滑って転んでね、いやー、マヌケだね)
「はんかくさいこと言うんでない」(バカみたいなこと言わないで)
「あの人、はんかくさい格好してるしょ」(あの人、バカみたいな格好してるでしょ)
- みったくない(醜い・不美人)
- 「あの子なら本当にみったくないよね」(あの子は本当に不美人ですね)
「そんなみったくない格好して出かけるのやめな」(そんなひどい格好をして出かけるのはやめなさい)
- まぜる(仲間に入れる)
- 「ちょっと、この班にまぜてや」(ちょっと、この班に入れてくれない?)
「何盛り上がってんの?まぜてまぜてー」(何盛り上がっているの?話に入れて入れて)
- めっぱ(ものもらい)
- 「めっぱできて、いずいー」(ものもらいができて、異物感がある)
「めっぱになっちゃたさ」(ものもらいができちゃった)
- もちょこい(くすぐったい)
- 「もちょこいから、やめてや」(くすぐったいから、やめて)
「くすぐったら、もちょこいべさ」(くすぐったら、くすぐったいでしょ)
- ゆるくない(大変・簡単ではない・きつい)
- 「雪かきするのもゆるくない」(雪かきをするのも、楽ではない)
「あんな遠くまで行くの?ゆるくないね」(あんなに遠くまで行くの?大変だね)
「いやー、ゆるくない」(いやー、きつい)
- よっこする(どけておく・とっておく)
- 「このおやつ、よっこしといて」(このおやつとっておいて)
「この仕事、よっこしておいて、後でやろう」(この仕事おいておいて、後でやろう)
- わや(どうしようもない・めちゃめちゃ・ひどい)
- 「試験どうだった?」「もう、わやでわやで」(もう、ひどいもんだよ)
「車ぶつけて、わや」(車をぶつけて、めちゃめちゃだよ)
「部屋の中、わやくちゃさ」(部屋の中、めちゃくちゃでひどいんだ)