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【たとえばこんな、ご当地グルメ】焼きそばワンダーランド(前編)

北海道にはさまざまなご当地グルメがありますが、「焼きそば」をあげる人はまずいないのでは。ところが、あまり知られてはいないものの、じつは地域の歴史や特産物と結びついた味わい深いストーリーが潜んでいたりするのです。今回は、ちょっとワクワクするようなロマンにあふれた、焼きそばの世界を見ていきましょう。

三八飯店白石店の「とろみ海鮮あんかけ焼きそば」

日本唯一の純中国式建築「函館中華会館」が語るもの。

函館を観光で訪れたことがある方なら、歴史的町並みが続く函館山麓の地区で「中華会館」という建物を見かけたことがあるのでは。この建物、別に中華料理店というわけではなく、中国の伝統的な関帝廟形式の集会所なのです。「関帝廟」とは三国志の英雄「関羽」を祀ったもの。在日華僑たちの商売繁盛などを願う場所として、1910年(明治43年)に建てられました。ではなぜ、函館にこのような建物があるのでしょう?

「函館中華会館」の外観、内部は現在非公開

 

それは、一言で言うならば中国人がたくさん居たからです。函館が開港したのは1859年(安政6年)のこと。横浜、長崎と並ぶ国際貿易港として、各国の商船が続々と押し寄せ、商館や領事館が建ち並ぶ外国人居留地がつくられます。1878年(明治11年)大火前の旧内務省資料によりますと、イギリス人20人、フランス人6人、ロシア人4人、アメリカ人3人に対し、清国人は35人。当初から圧倒的に多かったのです!

 

問題は、なぜこんなに多かったのかということです。中華料理は世界各地の食材や調味料を取り入れて独自の料理体系を作りあげていますが、昆布をはじめ、干しアワビ、干し貝柱、干しナマコなど、高級料理に欠かせない海産物には、開港前の江戸時代中期から北海道産のものが多く使われていました。

 

もちろん、鎖国時代に直接の貿易などはできません。蝦夷地の海産物は「北前船」により、日本海航路で遙か西日本へと運ばれていました、そこから当時唯一の貿易港である長崎へ運ばれ、「長崎俵物」として中国へ輸出されていたのです。その後、1854年(嘉永7年)にペリーの通訳として同行した広東省出身の羅森(ラシン)が函館から昆布を持ち帰り、その品質の良さが瞬く間に広まり、開港と同時に多くの華僑が移り住むようになったといわれています。

「養和軒」の外観図(函館市中央図書館所蔵)

 

当然、中華料理を出す店も古くからありました。上の写真は1884年(明治17年)の開業と伝えられる「養和軒」。当時の函館新聞に掲載された広告には「南京そむ(そば)十五銭」という表記が見えます。これを現在の「函館ラーメン」のルーツとする説が注目されていますが、その他にも豊富な海鮮素材を用いた炒麺なども出されていたのでは、と想像することができます。

「函館新聞」明治17年4月28日の広告(函館市中央図書館所蔵)

 

そのような歴史が影響してからなのか、海の幸が豊富な函館には、現在も「あんかけ焼きそば」を名物とする店が数多くあります。焼きそばは、中国語では「炒麺(チャーメン)」。市内の人気店「張家口(ちょうかこう)」のメニューには、しっかり「炒麺」と表記されたうえで、4種類ものあんかけ焼きそばがラインナップされているのはさすがです。

「張家口」のメニュー

「海鮮あんかけ焼きそば」(スープ付)

 

張家口

函館市石川町314-4

TEL:0138-47-7570

https://www.tyoukakou.jp/

 

「チャイナダイニング鳳凰」のメニュー

 

こちらは「鳳凰(ほうおう)」というお店。ユニークなのは、お好みの「あん」をまず決めて、焼きそば、チャーハン、ラーメン、白飯など、かける料理を選べること。もちろん1番にある「海鮮あんかけ」を選択し、せっかくですから、焼きそばと白飯のハーフ&ハーフにかけることにしていただきます!

「海鮮あんかけ」(焼きそばと白飯のハーフ&ハーフ)

 

チャイナダイニング鳳凰

函館市桔梗町418-110

TEL:0138-84-6004

 

ルーツは寿都の老舗旅館か?長万部と札幌に「三八飯店」あり。

「三八飯店」長万部店

 

“かにめし”で有名な長万部は、札幌と函館のほぼ中間地点。国道5号を走っていると「浜チャンポン」と書かれた巨大な看板が目に飛び込んできます。長万部と札幌の白石に2店を置く「三八飯店」です。イカ、カニ、ホタテなど海の幸が豪快に入った浜チャンポンもさることながら、もうひとつの名物があんかけ焼きそばなのです。

人気No.1の「名物あんかけ焼きそば」

 

とにかくそのボリュームには驚かされます。ビッグ、レギュラー、スモールと3サイズありますが、レギュラーでも相当の大盛で満腹になります。このお店、現在は長万部が本店ですが、もともとは日本海側の寿都にあった老舗旅館「喜多郷(きたむら)」に入っていた「三八飯店」が発祥で、その後、長万部に移ったそうです。

「三八飯店」白石店

 

同じ系列の三八飯店が札幌の白石にもあります。大きめの駐車場を備えてはいますが、11時の開店とほぼ同時にクルマでいっぱいになるほどの人気ぶり。「とろみ海鮮あんかけ焼きそば」を頼んでみると、エビ、イカ、アサリ、ホッキ、さらにはカニまで入った贅沢な出汁が効いた感動ものの逸品でした!

「とろみ海鮮あんかけ焼きそば」

 

三八飯店長万部店

山越郡長万部町中ノ沢56-1

TEL:01377-2-5180

https://www.osyamanbe-kankou.jp/syousai/sanpachi.html

(長万部観光協会)

 

三八飯店白石店

札幌市白石区本通2丁目南5-25

TEL:011-863-4490

 

 

(後編へつづく)

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