GoodDay北海道 » これぞ!HOKKAIDO » 【たとえばこんな、ご当地グルメ】焼きそばワンダーランド(後編)
これぞ!
HOKKAIDO

【たとえばこんな、ご当地グルメ】焼きそばワンダーランド(後編)

北海道にはさまざまなご当地グルメがありますが、「焼きそば」をあげる人はまずいないのでは。ところが、あまり知られてはいないものの、じつは地域の歴史や特産物と結びついた味わい深いストーリーが潜んでいたりするのです。今回は、ちょっとワクワクするようなロマンにあふれた、焼きそばの世界を見ていきましょう。

(前編はこちら)

「小樽あんかけ焼きそば」は“親衛隊”が魂込めて盛り上げる。

意外にも、知られざる物語を隠し持っていた北海道の焼きそばですが、近年は町を挙げてこれを地域ブランド化しようという動きもあるのです。まずあげたいのは「小樽あんかけ焼きそば」。中華料理店やラーメン店はもちろん、レストラン、一般食堂、喫茶店など、市内のさまざまな飲食施設でおなじみの人気メニューとなっています。まずは、小樽きっての歓楽街・花園十字街の交差点そばにある「華舟(かしゅう)」を訪ねてみましょう。

中国料理「華舟」

 

メニューには、単に「ヤキソバ」とありますが、注文してみると、紅ショウガと洋がらしが添えられた見事なあんかけ焼きそばが出てきました。

「華舟」のメニュー

 

豚肉、エビ、イカ、キクラゲ、野菜がたっぷりです。とくに海鮮というわけではなく、さまざまな具がバランスよく入っており、固めのあんが麺にしっかりと絡んでいます。餃子も頼んでみましょう。こちらも洋がらし付きで、しっとりとした焼き上がりにベストマッチでした。

華舟の「ヤキソバ」

華舟の「餃子」

 

小樽における「あんかけ焼きそば」の発祥には、諸説があります。1957年(昭和32年)に稲穂地区に移転オープンした中華料理店「梅月」の「五目あんかけ焼きそば」は絶大な人気を誇り、当時3軒あったデパートで買い物をした後に、これを食べて帰るというのが市民の流行だったといいます。ちなみに、華舟のご店主もかつてこの梅月で修業を積まれていたということでした。

中華料理店「梅月」(写真提供:御舟店主・中野鉄夫氏)

 

この梅月を元祖とする説が長い間有力でしたが、最近の研究では1950年(昭和25年)頃から他の店でも出していたという説も浮上してきており、正確には不明ですが古くから小樽の人々に愛され続けてきたことは間違いないようです。

 

そんなあんかけ焼きそばを通し、小樽の味と街の魅力をもっと知ってもらおうと果敢に取り組んでいる市民団体があります。その名も、「小樽あんかけ焼きそば親衛隊」。2011年(平成23年)に発足した「小樽あんかけ焼きそばPR委員会」の活動を引き継ぎ、2012年(平成24年)から本格的に始動。

「B-1グランプリスペシャル東京大会2016」での集合写真

「第9回B-1グランプリ郡山大会」での調理風景

 

「B-1グランプリ」への出場で大盛況を博すなど、「小樽あんかけ焼きそば」の名を一気に全国へと知らしめました。下記のホームページにはイベント情報や協力店ガイドマップ、協力店紹介などが詳しく掲載されていますので、ぜひご覧ください。

 

「小樽あんかけ焼きそば親衛隊」オフィシャルウェブサイト

http://otaru-ankake.sakura.ne.jp/

 

 

小樽の街をもう少し歩いてみましょう。「小樽都通り商店街」をブラブラ行くと「小樽あんかけ焼きそば親衛隊・協力店」のノボリを立てたお店が次々と現れます。

中華食堂「桂苑」

「五十番菜館」

 

小樽あんかけ焼きそばは、具材や作り方、盛り付けなどに一定のルールがあるわけではありません。お店ごとに工夫を凝らし、さまざまな味を提供していますので、親衛隊のガイドブックを片手に、ぜひ食べ歩きをお楽しみください。

「オホーツク北見塩やきそば」は、海と大地の恵みがたっぷりと。

「オホーツク北見塩やきそば」

 

一方こちらは、新進気鋭の「オホーツク北見塩やきそば」。生産量日本一を誇る北見のタマネギと、オホーツクの豊かな海が育んだホタテの美味しさがあふれるよう。ソースでもなくあんかけでもなく、オホーツクの自然塩を使った特製の「塩だれ」が、素材本来の味を引き出しています。さらに驚くべきは、こうあるべしと記された「定義・ルール8ヶ条」なるものまで定められていることです。

 

<オホーツク北見塩やきそばの定義・ルール8ヶ条>

 

第1条 道内産の小麦を主原料とした麺を使用する

第2条 オホーツク産のホタテを使用する

第3条 生産量日本一の北見タマネギを使用する

第4条 味付けはソースではなく塩とする

第5条 皿ではなく、鉄板で提供する

第6条 協議会指定の道産割り箸を使用する

第7条 できるだけ北見にこだわったスープをつける

第8条 シズル感を演出するために魔法の水を用意する

 

地元産へのこだわりが徹底しているのがよくわかります。2006年(平成18年)、平成の大合併により1市3町が一つになり新しい北見市が誕生しましたが、これを契機に市内の飲食店や食品企業、研究機関、関係団体が一体となり、新しい名物作りへのプロジェクトがスタート。翌2007年(平成19年)、北見の豊富な食材が詰まった新メニューとして、「オホーツク北見塩やきそば」がデビューするに至ったとのことです。

 

上記の8ヶ条を守った上で、どのような仕上がりにするかはお店の工夫次第で自由。さまざまな広がりを楽しむことができ、味わえるお店は下記のホームページに詳しく紹介されています。それにしても、第8条にある“魔法の水”というのが気になってしまうのですが、それは実際に注文してのお楽しみということで、ぜひオホーツク観光の際には北見へお立ち寄りください。

 

北見市観光協会

http://kitamikanko.jp/eat/eat01.html

 

 

豊富な海産物と農産物に恵まれた北海道は、国内でもっとも古くから中華料理との歴史的関わりを持ち、さらに近年は地域ブランドを目指した取り組みや新メニューの開発にも積極的なチャレンジを実践中。グルメの夢とロマンにあふれた“食のワンダーランド”なのです。そんなときめきと美味しさがぎっしり詰まった北海道のご当地焼きそばを、ぜひご賞味ください!

 

このスポットに行ってみたい!
と思ったら星をつけて「評価する」をクリック!

この記事が関連付けられているタグ: 歴史 グルメ
PAGETOP