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ジャガイモから、あれこれ

今年5月、米国のトランプ大統領が令和初の国賓として来日。安倍首相が六本木の高級炉端焼き店でもてなした際、最初に出された一品が「じゃがバター」でした。報道ではアイダホ産だったとも、じつは北海道産だったとも伝えられていますが、真偽のほどはともかく、ジャガイモは世界中の誰もに愛されている食べ物であることは間違いなし。今回は、北海道の代表的な農産物であるジャガイモから広がる世界をあれこれと見ていきましょう。

北海道産の「男爵イモ」

ジャガイモ王国・北海道。王国の誕生に一人の“男爵”あり。

北海道は、日本一の生産量を誇る“ジャガイモ王国”。栽培されている品種は食用や加工用など下記のようにさまざまですが、もっとも代表的なものとして「男爵イモ」があります。

 

◎男爵イモ・・・・・・・・・もっとも人気のある食用の代表的品種。

◎メークイン・・・・・・・煮崩れしにくい、煮込み料理に適した品種。

◎トヨシロ・・・・・・・・・ポテトチップ用の代表的品種。

◎キタアカリ・・・・・・・黄色みがかった、近年人気上昇の品種。

◎コナフブキ・・・・・・・道内全生産量の半分近くを占める、デンプン用の品種。

◎インカのめざめ・・・栗のような独特の甘みが感じられる、希少品種。

川田龍吉男爵(1856-1951年)

さて、この馴染みの深い男爵イモですが、なぜこのような名前になっているのかというと、その誕生には明治時代の本物の“男爵”が関わっているからなのです。その男爵とは、四国・土佐出身の川田龍吉男爵。当時の函館船渠(どつく)の専務を務めていた人物です。

 

北海道では明治の開拓時代の始まりとともに、開拓使や札幌農学校が中心となり、アメリカからさまざまなジャガイモの品種が輸入され、試作栽培を繰り返しながら、北海道に適した品種の選定に向けて努力が重ねられてきていました。

 

1908年(明治41年)、函館郊外の七飯に農場を持っていた川田男爵は、イギリスのサットン商会を通じアメリカ原産の「アイリッシュ・コブラー」という品種の種イモを輸入します。早熟なうえ病害にも強く、冷涼な北海道の気候にも適するため全道に普及栽培されるようになり、後にその功績が称えられ“男爵イモ”と命名されることになったのです。

「THE DANSYAKU LOUNGE」の外観

 

この川田男爵ですが、ジャガイモだけではなく、近代農業の確立にも大きく貢献したと伝えられます。男爵の偉業を称え、地域の歴史を未来へ引き継ぐための施設「THE DANSYAKU LOUNGE」が今春、「道の駅なないろ・ななえ」の隣接地にオープンしました。

建物内部では壁面を利用して、男爵がアメリカから輸入した当時の農耕具の数々が、まるでアートのように展示されています。

「種蒔機(たねまきき)」とあります。当時の最先端の農業機械を数多く導入し、先進的な農業経営に取り組んだといわれます。

「男爵の恋。」とキャプションが付いています。イギリス留学時代に知り合った恋人ジェニーとは、デートで畑を眺めながら一緒に温かいジャガイモを食べたこともあったとか。左の金庫には90通にも及ぶラブレターが大切に保存されていたそうです。

男爵はまた、日本人初のオーナードライバーとしても知られます。1901年(明治34年)に購入したアメリカ製の蒸気自動車が展示されており、進取の気概をうかがえます。

店内にはオリジナル商品もいろいろ。「男爵チーズケーキ」は、近郊の洋菓子店「ジョリクレール」とのコラボで誕生。濃厚なチーズのしっとりとした味わいに、ほのかな男爵イモの香りが絶妙に絡みます。

こちらのオリジナル「男爵スコットランドマフィン」は、マフィンの中に男爵イモで作った白あんを入れたもの。熱々に温めてバターをのせて食べるのがポイントです。

「薪(たきぎ)式グリル」からは、スモーキーな香りがあふれます。施設内のレストランでは、このグリルで調理したさまざまなジャガイモ料理や肉料理を味わうことができます。

ランチタイムは11時~15時。メニューは3つの時間帯ごとに設定されており、モーニングタイムは9時~11時、カフェタイムは15時~18時となっています。

 

テイクアウトコーナーでは、フレーバーやディップをお好みで注文できる「男爵フライ(コロッケ)」や「男爵チップス(フライドポテト)」などこだわりメニューが並び、持ち帰りでも店内で食べてもOK。函館方面にドライブの際にはぜひ立ち寄られ、男爵のロマンとホクホクの味わいをご堪能ください。

 

THE DANSHAKU LOUNGE

七飯町峠下379番3(道の駅なないろ・ななえ隣)

TEL:0138-82-8888

ホームページ:https://danshaku-lounge.com/

本場で味わうポテトチップスは、ひと味もふた味も違う!

ジャガイモを使ったスナック菓子の代表といえば、「ポテトチップス」。その揚げたてが味わえる店として人気なのが、カルビーのアンテナショップ「カルビープラス」です。

カルビープラス新千歳空港店

 

何と言っても、工場と同じように、生のジャガイモをその場で揚げるというライブ感がたまりません!北海道では、新千歳空港店と札幌の狸小路5丁目店の2店が営業しています。

 

ん?「ポテりこ」?もしかして、「じゃがりこ」の親戚では?そのとおり!言ってみれば、“じゃがりこの揚げたて版”みたいなもの。カリカリでおなじみのじゃがりこに、ホクホクサクサクを加えた食感は、まさに感動もの!

「ポテトチップス北海道バター味」は、これぞ揚げたて!というサクッとした食感。こちらは、新千歳空港店のみでの販売商品です。ほかにも「アスパラベーコン味」や「チョコ&チョコ味」「2種のチーズ味」など、さまざまなバリエーションが楽しめます。

 

「じゃがクリスピー インカのめざめ」は、北海道でも希少品種とされる「インカのめざめ」を使った、数量限定のこだわり商品。栗かサツマイモかと間違えるような独特の甘みが広がり、石垣島の塩が味をいっそう引き立てます。北海道旅行のおみやげに最適な逸品です。

 

2店とも、ドリンク類やソフトクリームなども充実。気軽に立ち寄って、ポテトチップスをおつまみに、ホクホクのひとときをご満喫ください。

 

 

カルビープラス/

サッポロスーヴェニールショップ狸小路5丁目店

札幌市中央区南3条西5丁目33番地 松山ビル1F

 

カルビープラス新千歳空港店

新千歳空港国内線ターミナルビル2F

 

ホームページ:

https://www.calbee.co.jp/calbeestore/shop/

幻のイモ「今金男しゃく」は、美しき“貴婦人”の品格あり。

「今金男しゃく」

 

ポテトチップスのもう一方の大手といえば、湖池屋。2年ほど前から、秋になると“幻のポテトチップス”と呼ばれる「今金男しゃく」を使ったポテトチップスを発売しており、オンラインショップでの発売開始と同時に完売するほどの人気を集めています。

湖池屋「ポテトチップスうすしお味 今金男しゃく」(左)、「ポテトチップスのり塩 今金男しゃく」(右)※2018年度完売商品

 

この原料となっているのは、道南の今金(いまかね)町で最高級の男爵イモとして作られている「今金男しゃく」なのです。昼夜の寒暖差が大きい内陸性の気候と“清流・後志利別川(しりべしとしべつがわ)”の豊かな大地の恵みを受け、ほこほこした食感と形状の美しさは男爵というより“貴婦人”といった品格が漂うほど。

とくに関東圏で人気があり、「その年の男爵イモの値段は今金男しゃくで決まる」 と言われるほどの価値と信頼を保ち続けています。“大地の職人”と呼ばれる生産者らの手により丹念に育てられ、その人気の高さと、他の産地と比べて少ない流通量から“幻のイモ”ともいわれています。

「のり塩」(左)と「うすしお味」(右)

 

湖池屋の「今金男しゃく」とは、文字通り今金町産の男爵イモを100%用いた贅沢極まる逸品なのです。本来、油で揚げると焦げやすい男爵イモはポテトチップスには不向きといわれてきましたが、皮の剥き方、洗い方、厚さ、揚げ方、油の種類まで徹底的にこだわり、最高の逸品を誕生させました。

 

昨年度のものはすべて売り切れ、オンラインショップには現在「完売御礼」と表示されていますが、原料のイモが入荷する10月頃から2019年度の販売が予定されています。また、JA今金町の「Aコープいまかね」では全国で唯一、店頭での販売も行う予定。この秋の収穫が、いまから待ち遠しいかぎりですね!

 

湖池屋オンラインショップ

http://shop.koikeya.co.jp/

 

JA今金町

TEL:0137-82-0211

ホームページ:https://ja-imakane.or.jp/

 

デンプンの不作が縁となり、新しいお菓子「ほがじゃ」が誕生。

「北海道フリッターおせん ほがじゃ」(えび味・こんぶ味・ほたて味)

 

さまざまな食品加工の原料として用いられるのが、ジャガイモから精製した「デンプン」。食用の代表である男爵イモ以外で、じつは道内ジャガイモ全生産量の半分近くを占めているのは、「コナフブキ」というデンプン用の品種なのです。北海道はデンプンの一大生産地でもあり、その品質は、食感、とろみ、透明度、どれをとっても一級品と定評があります

北海道産のデンプン

 

ところが、2010年(平成22年)、このコナフブキが天候不良のため不作となり、全国的なデンプン不足が発生してしまいます。困ったのは、全国各地の食品加工メーカー。そのひとつが、福岡で辛子明太子や多彩な食品類を製造・販売する(株)山口油屋福太郎という総合食品メーカーでした。

 

同社は1909年(明治42年)創業として知られますが、18年ほど前に「めんべい」という“明太子のせんべい”を開発したところ新しい博多土産としてすっかり定着。生産が追いつかないほどの人気となりました。良質なデンプンはめんべいの生産に欠かせないもの。そんな矢先に発生したのがデンプン不足だったのです。

 

救いの道は思わぬところから開けました。ちょうど同時期、小清水町の町おこし団体「これぞ!小清水」が作った大きさ世界一のデンプン団子がギネスブックに認定登録。これを偶然ラジオで知った山口油屋福太郎の山口社長(現会長)が、「デンプンが足りないのでぜひ分けてほしい」と、JA小清水に電話を入れます。

山口油屋福太郎 小清水北陽工場

 

全国から同様の申し込みが殺到しているため、当初は断っていたJA小清水でしたが、社長が直々に小清水町を訪れて懇願する熱意に、関係者の心が動かされます。町長からは工場誘致の申し入れもあり、デンプンの確保とともに廃校予定の北陽小学校を新工場として提供してくれることも決まりました。

 

2013年(平成25年)から稼働開始した小清水北陽工場では、めんべいだけではなく、北海道の良質な海・山の幸を取り入れた商品も作ろう!という機運が高まります。そして生まれたのが、「北海道フリッターおせん ほがじゃ」なのです。ほたて味、えび味、こんぶ味の3種類の味が楽しめ、香ばしくパリッとした食感は、おやつやビールのおつまみにぴったり。全道の観光ショップや道の駅などで人気となっています。

小清水町の「じゃがいも街道」

 

工場が建つのは、網走方面から国道224号を町中心部へ向かう「じゃがいも街道」と呼ばれる一帯。見渡す限りのジャガイモ畑が一面に広がります。工場内には、小学校に通っていた子どもたちの思い出を残すため、子どもたちの絵を内装に用い「コドモノアート」として展示。工場見学も、土・日・祝日・お盆・年末年始以外の平日に行っていますので、詳細はホームページをご参照のうえ、ぜひ一度訪問してほがじゃが出来上がってくるところを見学してみてください。

 

山口油屋福太郎小清水北陽工場

斜里郡小清水町字浜小清水304番地1

TEL:0152-63-4141

ホームページ:https://www.hogaja.com/

 

清涼な水と豊かな大地から生まれた、ジャガイモ焼酎「北海道 清里」。

ジャガイモ焼酎「北海道 清里」。左から25度、原酒44度、原酒5年44度、樽25度

 

ほがじゃ工場のある小清水町の隣町となるのが、やはりジャガイモの一大産地として知られる清里(きよさと)町。透明度日本一にも選ばれた斜里川の清涼な水と肥沃な大地が育んだジャガイモを原料に作られたのが、このジャガイモ焼酎「北海道 清里」なのです。

 

この焼酎は、日本初のジャガイモ焼酎として1979年(昭和54年)に誕生。サツマイモが原料の芋焼酎ほどのクセがなく、まろやかで優しい飲み口が特徴です。ミルクボトルのようにも徳利のようにも見える清涼感あふれるボトルは、2015年にグッドデザイン賞を受賞。“清き一杯”を引き立たせる洒落たデザインとなっています。

清里焼酎醸造所

 

「北海道 清里」を製造する清里焼酎醸造所が建つのは、町の観光案内所や売店、ランチも食べられるカフェなどが入る「きよさと情報交流館きよ~る」の隣接地。西洋のお城のような外観が特徴です。焼酎の醸造時期は9月上旬から11月中旬までですが、酒蔵見学は年末年始を除いて受け付けていますので、ホームページをご参照のうえ、ぜひ訪れてみてください。

 

清里焼酎醸造所

斜里郡清里町羽衣町62番地

TEL:0152-25-2227

ホームページ: https://www.kiyosato-shochu.com

 

ジャガイモにはロマンあふれる物語があり、料理としてもスナック菓子としても飲料としても、さまざまなおいしさの世界が広がっています。この秋、収穫の季節にはぜひ北海道を訪れ、ホクホクのひとときをご満喫ください!

 

このスポットに行ってみたい!
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