表情を変える神秘の湖「洞爺湖」の撮り方

表情を変える神秘の湖「洞爺湖」の撮り方

支笏洞爺国立公園の中央に位置し、洞爺湖町と壮瞥町にまたがる洞爺湖は、約11万年前の火山噴火によってできたカルデラ湖です。有珠山周辺は現在も火山活動が活発で、洞爺湖有珠山ジオパークに指定されています。洞爺湖は自然景観のみならず、温泉やグルメといった火山の恵み、カヌーやキャンプなどのアウトドア体験、ロングラン花火大会などのイベントも楽しむことができるフォトジェニックな観光地です。

Profile

セミプロカメラマン

野呂圭一(のろ けいいち)さん

北海道虻田町(現洞爺湖町)生まれ。写真を始めるきっかけは、生まれたばかりの娘の写真を撮るために一眼レフカメラを購入したこと。以前はポートレートや野球写真を撮っていたが、2017年に洞爺湖温泉観光協会に移籍したのをきっかけに、洞爺湖をはじめとする自然の写真を撮り始める。 自然を題材に、見る者を説得力のある物語へ引き込む作品で数々の賞を受賞。

美しい風景を撮影できる

  • 10月「中島」の上空からヘリコプターで撮影。©野呂圭一

札幌から函館方面に車で約2時間の場所に洞爺湖はあります。周囲約42kmの洞爺湖南東エリアから時計回りに走ると、ごつごつした岩と火山活動が活発な壮瞥町エリアを通過すると洞爺湖町のワインの産地として有名な月浦に到着します。手つかずの自然と田園風景、広大な洞爺湖エリアのキャンプ場。エリアごとにさまざまな美しい風景を撮影できるので、写真好きにはかなりおすすめです。

季節や気候によって変化する洞爺湖

  • 不凍湖ですが、厳しい寒風が吹くと一瞬で凍ってしまう©野呂圭一

洞爺湖のセミプロカメラマンである野呂さんは「洞爺湖の景色は季節や気候によって変化するので、写真を撮るといつも宝探しのような気分になります」と言います。ほぼ毎日のように出勤前に洞爺湖に写真を撮りに行く野呂さんが特におすすめするのは早朝の月浦方面から見た洞爺湖。「月浦のロケーションは西側にあるため、昇る太陽の方向を向いており、日の出の撮影にとても適しています。ガイドブックの紹介で、青い空と白い雲を背景にした洞爺湖の風景写真をよく見かけますが、私はそれが好きなのです」。

日の出と雲海を撮影

  • 5月、ポロモイ山展望台から撮影した雲海。©野呂圭一

早朝の洞爺湖は霧で満たされています。美しい空が湖に映り、壮大な日の出と相まって、洞爺湖の夢のような景色に織り込まれています。月浦エリアは春から秋にかけて雲海が楽しめる場所と言われています。「洞爺湖は地理的に蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山と海に挟まれるようにあり、気温の変化が大きく、雲海が発生します。特に春から夏にかけてはよく雲海が見られ、ポロモイ山展望台やサイロ展望台から雲海撮影を狙う人が多いです。また、雲海は見られませんが、洞爺湖を一望できるので、日中に訪れるのもお勧めです」。

火山の恵み

  • 湖の透明度が高い冬~春は、朝日が映る湖面が美しい。©野呂圭一

有珠山や洞爺湖周辺の昭和新山などの活火山は、現在も活発に活動しています。火山噴火の危険はありますが、火山に由来する温泉、野菜や果物が育つ肥沃な土地、火砕流によって形成された沿岸の漁場など「火山の恵み」を受けている場所です。

噴火で変わる洞爺湖

  • 火山と共生する豊かな暮らしを体感できます。©野呂圭一
  • 壮瞥公園の約300本の梅は、毎年5月中旬に開花します。©野呂圭一

「今撮っている風景も、10年後の噴火で変わるかもしれません。 この風景をカメラで記録することで、次の世代が私の作品を見て『あの頃はこうだった』と理解してくれるのではないかと、毎日洞爺湖にレンズを向けている理由の一つです」。


洞爺湖は、季節や気候、火山活動などによって、次に出会う時までに姿を変えているかもしれません。 野呂さんが毎日眺めていても飽きないという美しい湖の、一生に一度の景色を狙いに、カメラを持って出かけてみませんか。

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