北海道の焼酎!開拓期を支えた「甲類」とユニークな「乙類」に注目

北海道の焼酎!開拓期を支えた「甲類」とユニークな「乙類」に注目

焼酎の全国消費量ランキングを見ると、鹿児島県や宮崎県などの九州勢が目立ちますが、連続式蒸留、つまり「甲類」の消費ランキングでは、実は北海道が1位です。道民の甲類好きの秘密と、道内各地のユニークな「乙類」焼酎の魅力に迫ります。

北海道の焼酎文化は甲類から

北海道の開拓が進んだ昭和初期には、農業や漁業の発展によって労働者が大幅に増え、働き盛りの彼らのアルコール需要が拡大しました。当時、北海道で広く栽培されていた馬鈴薯や、でんぷんを絞った後の粕などを材料に、大量生産に向いている連続式蒸溜の甲類焼酎が製造されるようになり、それが広まったと考えられています。


現在も北海道の酒屋やコンビニをのぞくと北海道生まれの甲類焼酎「サッポロソフト」や「ビッグマン」などが並び、スーパーなどでは4リットルボトルやアルコール度数20度の北海道限定商品もよく販売されています。


どこでも安く手に入れられることや、クセのない味わいが北海道の食材の味を邪魔しないことなど、甲類焼酎は北海道民のニーズにピッタリだったのではないでしょうか?

個性派ぞろいの乙類焼酎

一方、近年では北海道産の原料を使った本格焼酎(乙類)も増えています。北海道の大地が育む素材から生みだされる、個性豊かな焼酎を楽しむことができます。


単式蒸留で製造される乙類焼酎は、原材料の香りや風味なども抽出されるため味わいも個性派ぞろい。ロックや水割り、お湯割りで楽しむのがおすすめです。北海道の特徴的な乙類焼酎(甲類乙類混和の焼酎も含む)を素材ごとにご紹介します。

紫蘇焼酎

道東・白糠町の特産「赤紫蘇」の焼酎を飲んだことがある方も多いのでは?

北海道内の空港のお土産売場から人気に火がつき、多くのメディアでも取り上げられた、北海道を代表する個性派焼酎です。

焼酎はちょっと苦手という方でも飲みやすい、紫蘇の爽やかな香り。ロックや水割りのほか、ソーダ割りもおすすめです。スタンダードは透明の焼酎ですが、赤紫蘇をふんだんに使ったものや梅酒仕立てのものなど、見た目も楽しめるルビー色の紫蘇焼酎もあります。

じゃがいも焼酎

芋焼酎といえば、一般的にはさつまいもが原料ですが、北海道ではじゃがいもを使った焼酎もあります。

日本初のじゃがいも焼酎が誕生したのは北海道。戦時下の燃料不足を補うため、発酵させたじゃがいもからアルコール燃料を精製していたことをヒントに、焼酎製造の研究がスタートしたといわれています。

男爵いもやメークインなど、品種による味わいの違いを楽しめるじゃがいも焼酎は、やわらかな風味とほのかな甘さが特徴。芋焼酎好きにはぜひとも試してもらいたい焼酎です。

こんぶ焼酎

全国でも類を見ない、北海道ならではの焼酎といえばこんぶ焼酎。礼文島や函館などの昆布を原材料にした、まろやかな飲み口と昆布の香りがひろがる焼酎です。その味わいは、まさに和食料理に最適。

ミネラルや食物繊維を含み、体にもやさしいこんぶ焼酎は、お湯割りにするとさらに芳醇な香りが楽しめます。お酒好きな方への北海道土産としてもおすすめです。

牛乳焼酎

酪農王国・北海道といえども、インパクトの大きい牛乳焼酎。

牛乳で焼酎ができるの?と思うかもしれませんが、原材料はミルクホエーと麦。ミルクホエーとは牛乳からチーズやヨーグルトを作る際にできる上澄みのことで、栄養価が高く、ブランド豚のエサなどにも活用されています。

珍しさだけでなく、ミルクのやさしい甘さとスッキリとした後味で人気がある牛乳焼酎には「焼酎は嫌いだけどこれなら飲める!」という声も。一度は試してみたい変わり種焼酎です。

とうきび焼酎

「とうきび」とは、北海道が日本一の生産地でもある「とうもろこし」のこと。アルコール飲料の主原料に使われることも多く、バーボンウイスキーはその代表格です。

他県に比べ甘みが強いといわれる北海道産のとうきびを使った焼酎は、まろやかな口当たりでとうもろこし由来の甘みや香ばしさが広がる味わい。ウイスキー感覚でストレートやロック、水割りで楽しめる焼酎です。

そば焼酎

意外と知られていない、北海道が生産量日本一の作物に「蕎麦」があります。北海道は、蕎麦の収穫量が国内シェア50%にせまるダントツの生産地。幌加内町、新得町、上川町などで作られる蕎麦を使って、香り豊かな蕎麦焼酎が製造されています。

おいしい蕎麦屋も多い北海道で、つまみと蕎麦焼酎を楽しんでから蕎麦で締めるのもおすすめです。お湯割りはもちろん、蕎麦湯割りでも香りがさらに引き立ち、蕎麦本来の旨みを味わえます。

麦焼酎

麦焼酎の本場といえば、長崎県壱岐や大分県などが思い浮かびますが、雄大な北の大地で育った麦で作られる本格麦焼酎も負けてはいません。

北海道産の二条大麦を使用したものや、小麦を使った珍しいものまで、北海道の麦本来の風味が楽しめる、スッキリとキレのある力強い飲み口です。

まだまだある、超個性派焼酎たち

  • 九州産の芋焼酎の原料として知られる黄金千貫を北海道でも栽培

北海道の特産物を使った焼酎を紹介してきましたが、広い北海道には、ほかにも「くま笹」や「ハッカ」などを原材料にした個性派の焼酎もあります。また、さつまいも「黄金千貫」を北海道で栽培して製造した、北海道産初の本格芋焼酎なども誕生。これからも北海道の焼酎から目が離せません!

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