北海道をサ旅しよう!プロサウナーに学ぶ、サウナの魅力

北海道をサ旅しよう!プロサウナーに学ぶ、サウナの魅力

「サウナ=おじさん」のイメージも今は昔、世は空前のサウナブームです。新しい旅のスタイルとして、サ旅(サウナを目的とした旅行)人口も増加中とか。全国で老若男女が“ととのう”中、サウナー(サウナ愛好家)たちから熱い視線を浴びている北海道のサウナについて、プロサウナーとして活動する「ととのえ親方」こと松尾 大さんに魅力を伺いました!

Profile

プロサウナ—

松尾 大(まつお だい)さん

世界各地のサウナを渡り歩き、各メディアでサウナの魅力を発信する札幌在住の実業家兼プロサウナー。札幌を訪れる経営者や著名人をサウナに案内し“ととのう”状態に導いてきたことから「ととのえ親方」と呼ばれる。2017年にプロサウナー専門ブランド「TTNE PRO SAUNNER」立ち上げ、2019年には友人の医師らとサウナの最適な入り方を提唱する「日本サウナ学会」を設立。著書に本田直之氏との共著「人生を変えるサウナ術」(KADOKAWA)。

手軽で健康的。でもそれだけじゃない。
旅先で生まれる交流もサウナの醍醐味!

サウナは今から4000年前にはあったと言われています。洞窟の中で、今で言う「ロウリュ(熱したサウナストーンに水をかけて水蒸気を発生させるフィンランドに伝わるサウナ風呂の入浴法)」のようなことを行っていた形跡があるとか。「サウナに入ると、ちょっとだけ動物に戻ったような気になります。私たちの遺伝子にその頃の記憶が残っているのかも」と、松尾さんも原始のサウナに思いをはせます。


今ではさまざまな国で楽しまれているサウナ。それぞれ呼び名は違えど、温かいところに入って汗をかく入浴方法は共通しています。中でも、立ち上った蒸気をタオルで仰ぐドイツ発祥の「アウフグース」は日本でもおなじみ。最近は、ストーブより高い位置に座りセルフロウリュができるフィンランド式が増えてきました。


サウナの魅力の一つが、心と体の健康促進です。火照った体を水風呂でクールダウンし、外気浴用の「ととのい椅子」で休憩。これを繰り返すことで血行を促し、リフレッシュ効果もあるといわれています。


「サウナは天候の影響を受けないのもいいですね。大雪が降ってもそれはそれで楽しいですから」と松尾さん。サウナと旅の相性についても「タオル1枚あれば道具はいらないのでサ旅は誰でも誘いやすいし、旅先のサウナで知らない人同士、自然とコミュニケーションが生まれるのも醍醐味です」と語ってくれました。

季節の移ろいを堪能しながらの外気浴は最高!
北海道で至福の“ととのい”体験はいかが?

サウナー目線で見た北海道の魅力は、松尾さんいわく「四季を通していろいろな表情を楽しめる外気浴スポットが多いところ」なのだそう。雪解けに命が芽吹く春、カラッと爽快な夏、紅葉がきれいな秋、一面の雪で輝く冬。確かに北海道は“ととのう”絶景にいつでも出会えます。「水の評価も高いですね。湧き水を使っていたりして、入った瞬間に体が喜ぶ水風呂がたくさんあります」と松尾さんは付け加えます。


「サ旅、始めてみようかな?」と思った方のために入り方のコツを聞くと、松尾さんは「サウナ室は座る場所や混み具合によって温度が異なるので、あまり厳密に時間を決めないことですね」と教えてくれました。汗が噴き出し、暑くなったら出る。水風呂も慣れてきたら出る。そんな感じでいいのだとか。


もちろんプロサウナーらしいこだわりも。「水風呂から出て外気浴に行く前に、タオルで体の水滴を拭きますが、乾いたタオルでは体を拭きません。水分を完全に取ると体がまた汗を出して冷えてしまうんです。夏は水滴を多めに残し、冬は固く絞ったタオルで拭くようにしています」と話す松尾さんのベストなバランスは「サウナ4:水風呂1:休憩5」。四季折々の景色を眺めながらメインの外気浴を楽しむなら、まさに北海道はうってつけというわけですね。

プロサウナー・松尾 大がオススメする、
一度は行ってほしい個性派ぞろいのサウナ5選

サウナの本場・フィンランドと気候風土が似ている北海道。昔ながらのサウナはもちろん、温泉地を中心に個性あふれる本格的サウナ施設がたくさんあります。サウナを知り尽くした松尾さんに、その中からオススメの5つを選んでもらいました!

斜里「北こぶし 知床 ホテル&リゾート」

最上階の展望大浴場「大海原」にあるサウナ室は、流氷をモチーフにした直線的なデザインが特徴の「KAKUUNA(カクウナ)」と、木の洞窟をイメージした曲線的なデザインの「UNEUNA(ウネウナ)」の2種類。世界遺産・知床の山並みや雄大なオホーツク海の絶景を切り取る大きな窓からは、冬になると一面の流氷を眺めることができます。「デザインにテーマ性を持たせた、今までなかったタイプのサウナ。窓から見えるケタ違いの景色を楽しんで。特に夕焼けや流氷の時期はオススメです!」と松尾さん。オートロウリュは15分に1回。水風呂はもちろん、露天風呂スペースには外気浴用のととのい椅子も。

上富良野「白銀荘」

十勝岳中腹の大自然に囲まれた、サウナの「北の聖地」。ヒバの香り豊かな浴槽や岩風呂、気泡風呂、打たせ湯などの室内浴場、解放感あふれる100%源泉かけ流しの大露天風呂などバラエティ豊かなお風呂がそろっています。総ヒバ造りのサウナ室は、電気式のストーブを使いサウナストーンに自分で水をかけるセルフロウリュができる珍しいスタイルのフィンランド式。松尾さんは「サウナから出て水風呂に入るのもいいですが、外気浴に行ってそのままパウダースノーに飛び込むのも気持ちいいですよ」と、北海道ならではの楽しみ方を教えてくれました。

岩見沢「ログホテル メープルロッジ」

森の中にたたずむログホテルに、ヒノキと御影石、露天風呂の3種の湯量豊かな天然温泉と、セルフロウリュができる本格的フィンランド式サウナを完備。温度は70℃と少し低めの設定で、小窓からの景色を楽しみながらゆっくり入れます。火照った体を引き締めるのは、源泉をそのまま利用した、肌触りの優しい約14℃の露天水風呂。「1994年開業の、北海道の中では老舗のサウナ。フィンランドの文化を知り尽くした1級建築士の方が、設計はもちろん建物に使う木材の調達まで手がけているので、本場フィンランドさながらのサウナ体験ができます」と松尾さんも太鼓判を押すほど、こだわりがたっぷり詰まっています。

登別「登別万世閣」

国産ヒノキで作られたベンチとシラカバのしつらえと、間接照明の柔らかい光が、森の中にいるような情緒を演出。サウナストーブに水をかけて、ドライ・ウェット・ミストなどの環境を自由に作れるフィンランド式セルフロウリュを堪能できます。「北海道の自然を連想させるおもしろいデザインで、水がかかると木特有のいいにおいが立ちこめます」と松尾さん。水風呂は、温泉水が流れ込む地元・クスリサンベツ川を水源とする伏流水水風呂と、登別温泉の硫黄泉を冷やした源泉水風呂の2種類。松尾さんのお気に入りは源泉水風呂で、「入った瞬間に温泉地らしい香りが楽しめますよ!」とのこと。

登別「登別グランドホテル 鬼サウナ」

5つめは、なんと松尾さんプロデュース! 湯の国・登別温泉にピッタリな、鬼をテーマにしたサウナです。外観には地獄谷の崖のような岩肌を採用し、サウナストーブには鬼の棍棒を模した金色のフレームを施すなど、鬼の棲み家のような荒々しさを表現。約110℃の高温ドライサウナとオートロウリュ、登別の湧水を使用した16℃のヒノキの水風呂が楽しめ、窓からはホテル自慢の景観が堪能できます。松尾さんは「まちの個性とトーン&マナーを合わせてデザインされたサウナ室ってほとんどないので、地獄谷の鬼をモチーフにディレクションしました。本当に鬼の親子が遊びに来そうです(笑)」とコンセプトについて語ってくれました。

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