中国人シェフの本格料理が味わえる!札幌市内の中華料理店

ジンギスカンやスープカレー、ラーメンなどの北海道グルメや和食、洋食など、幅広いジャンルの飲食店がある札幌。中華料理店も数多い中、中国人シェフが活躍している市内のお店をご紹介します。本場の味、ぜひ食べに行ってみませんか。
中国料理 季香園
リーズナブルな価格で美味しい中華料理が食べられるお店として、約20年にわたって札幌市民に愛され続けている「季香園」。札幌市電の「西線9条旭山公園通停」から徒歩5分ほどの「菊水・旭山公園通り」沿いにあります。マンションの1階、ひときわ目を引く赤い看板とボンボリが目印です。
席数は全部で30数席、テーブル席のほかに小上がり席もあります。中国料理店らしい装飾がちりばめられた店内は、落ち着いて食事ができるカジュアルな雰囲気。厨房から聞こえてくる包丁の音と活気あふれる中国語に、思わず期待が高まります。


厨房で腕を振るう張さんと郭さんは、黒竜江省のハルビン市でキャリアを積んだ料理人です。札幌に来て2年目の張さんと、まだ半年ほどの郭さんのコンビで、下ごしらえから調理まで、連携しながらテンポ良くこなしています。
季香園の料理は基本的に北京風ですが、以前に四川省出身の料理人が長く勤めていたこともあり、花椒と唐辛子を組み合わせた四川料理も人気です。ラードではなく大豆油を使っているので、どの料理もヘルシーでさっぱりとした味わいになっています。

お店のおすすめメニューの1品目は「中華冷菜(920円)」、いわゆる中華サラダです。大ぶりのお皿にたっぷりの野菜と自家製の春雨が乗ってボリュームも満点です。揚げた細切り肉が入った黒酢ドレッシングをかけて、よく混ぜてからいただきます。中国産の黒酢を使った、旨みが濃いドレッシングの味が全体をまとめています。
幅1.5㎝ほどの自家製の春雨は、心地よい弾力と歯ごたえ。初めての食感がアクセントになって、ついつい箸が伸びてしまいます。黄色い細切りは錦糸卵かと思ったら、中国や台湾でよく食べられている「干し豆腐」だそうです。あっさりとした味わいがコクのあるドレッシングによく合います。季香園でしか食べられないメニューなので、来店の際にはぜひオーダーしてみては。

おすすめメニューの2品目は、大定番の「麻婆豆腐(850円)」。季香園の人気ナンバーワンです。中国から取り寄せた特別な山椒を使って、ピリッとした辛さの中にも旨みを感じる味わいに仕上げています。今回は辛さがマイルドな「甘辛」をいただきましたが、ほかに「中辛」と「激辛」もあるので、辛いものが好きな方はぜひチャレンジを!
具材の豆腐にもこだわって、市内の老舗豆腐店の手作り木綿豆腐を使用しています。この豆腐と旨辛の麻婆餡が相性バツグン! 後を引くおいしさで、ご飯がどんどん進みます。ほかに、中国で一般的な「薬膳火鍋」も名物だそうで、店主の初さんは「本場の料理を安くご提供していますので、中国から旅行で来たお客様にもぜひお越しいただきたいですね」と語ってくれました。
※価格は取材時(2025年12月)のものです
基本情報
[所在地]札幌市中央区南9条西13丁目1-54
[電話]011-552-0302
[営業時間]11:00~15:00(L.O. 14:40)、17:00~23:00(L.O. 22:30)
[定休日]水曜
中国料理 養源郷
札幌市電の「中島公園通電停」から徒歩4分の場所にある「札幌華僑会館」。その1階に入口がある「養源郷」は、1997年のオープン以来、地元の常連客でいつも賑わう本格的な中国料理店です。平日のお昼には、お手頃価格のランチメニューが目当ての人々でおよそ50席の店内が埋まってしまうことも珍しくありません。
店主の劉さんが「中華と言えば油をたっぷり使った味の濃い料理というのは昔の話です。今は中国本土でもヘルシーであっさりした料理が主流ですから」と言うように、養源郷のメニューも体にやさしい味わいにしているそう。まさに、店内に掲げられた「医食同源」ですね。親子三代にわたるファンが多いというのも納得です。


料理長の王さんは、中国の有名店で長年修業を積んだ実力派シェフです。同じ山東省出身の于さんとのコンビで、お店の数多いメニューを手早く作り上げます。お二人ともここで20年以上働いているので、息もぴったり。北京風をベースに、四川や広東など日本人がイメージする中国料理を提供しています。
中でも炒め物が得意な王さんは、メニューに合わせて微妙に火加減と時間を調整して、素材の食感と味を最大限に引き出す匠の技の持ち主です。于さんは煮込み料理のエキスパートで、エビのチリソース煮や豚の角煮にはリピーターも多いそうです。

おすすめメニューの1品目は、「若鶏小肉の四川味の炒め(1,300円)」。小肉とは、鶏の首周りの「せせり」のことで、弾力があってジューシーな肉質に合った味付けにしているそうです。いかにも辛そうな見た目ですが、実際はピリ辛……というよりも旨辛。辛いものが苦手という方でも大丈夫です。
マイルドでほどよい辛さとコクのある味わいは、ご飯やビールにもぴったり。中国の伝統的なお菓子「麻花」がサクサクと、ピーナツがコリコリと、素揚げした唐辛子がカリカリと、そんな食感も楽しいですね。食べているうちに、じんわりとお腹の中から体が温まっていくのを感じました。

2品目は「五目野菜入りエビ炒め(1,480円)」。大ぶりのエビが贅沢にたっぷり入っています。エビとタマネギの白に、サヤエンドウの緑とパプリカの赤、タケノコの黄色がカラフルで、見た目にも食欲をそそる一皿です。食べてみると、シンプルな塩味の中にエビと野菜の甘みと旨みを感じます。
特筆すべきは、野菜のシャキシャキとした食感。炒め物のプロフェッショナル、王さんの実力が遺憾なく発揮されたメニューですね。1品目の旨辛さとエビの甘さの組み合わせが絶妙で、おすすめされた意味がわかりました。「料理やお酒、会話を楽しみながら、ゆっくりとお過ごしいただきたいですね」という劉さんのメッセージ通り、味はもちろん居心地の良さも魅力的なお店です。
※価格は取材時(2025年12月)のものです
基本情報
[所在地]札幌市中央区南12条西8丁目3-46 札幌華僑会館内
[電話]011-533-7751
[営業時間]11:00~14:00、17:00~21:00
[定休日]月曜(祝日の場合は翌日)
[URL]https://www.hotpepper.jp/strJ000251032/
中国酒菜 味楽
バラエティ豊富なメニューとお手頃な価格で、たくさんの常連客から根強い支持を受けている中国料理店が「味楽」です。札幌市営地下鉄東西線「西18丁目」駅から徒歩5分ほどのビルの1階にオープンしたのが2021年5月。JR「琴似」駅の近くで10年ほど営業していたお店を移転し、店名も改めてのオープンでした。
テーブル4卓16席・小上がり18席とコンパクトですが、オープン以来、昼も夜もお客が途切れないお店です。小上がりがあるため家族連れのお客さんが多いのも特徴で、店内にはどこかアットホームな雰囲気が漂っています。ランチを食べたサラリーマンが、その夜に会社の仲間と飲み会をするというのもよくあるパターンだそうです。


お店を切り盛りするのは、吉林省出身の王さんと劉さんのご夫婦。地元で料理の修行を積んだ後、約20年前に来日して親族が経営する札幌市内の中華料理店で働き始めました。旦那さんの王さんが調理、奥さんの劉さんがホールと調理補助を担当し、見事なコンビネーションで次々と注文をさばいていきます。
「ランチではラーメンとあんかけ焼きそばがよく出ますね。夜は宴会も多いので、お酒に合うメニューが人気です」と劉さん。あくまでも本場の味をベースに、日本人の口にも合うように調整しているそうです。本格的なのに食べやすいのは、その工夫のおかげなのですね。

おすすめメニューの1品目は、「激辛麻婆豆腐(880円)」。激辛のイメージに腰が引けてしまう人もいるかもしれませんが、食べてみると驚くほど辛いというわけではありません。辛さの中にしっかりとコクと旨みを感じる一品です。中国産の花椒の心地よい痺れが後を引いて、また一口食べたくなります。
中国産の香辛料を使った辛さと痺れが、豆腐と粗挽き豚肉の甘みを引き立てています。ご飯との相性は言うまでもありません。「普通の麻婆豆腐もありますが、こちらの激辛麻婆豆腐を注文されるお客さんが多いですね」と劉さん。常連さんからは「麻婆豆腐はやっぱり辛いほうがおいしい」と言われるそうです。

おすすめの2品目は「豚肉きくらげ玉子炒め(880円)」。中国では木須肉(ムースーロウ)と呼ばれる定番の炒め物です。たっぷりと入ったきくらげのコリコリした食感とふわふわの玉子、そこに旨みの強い細切りの豚肉と炒め野菜の甘さが加わって、おかずにもビールのおつまみにも最高の一皿に仕上がっています。
食物繊維、ビタミンD、鉄分、カリウムなどの栄養素を豊富に含むきくらげは、中国でも健康食材として人気だそうで、味楽でもよくオーダーされるメニューです。市民に加え、旅行で訪れるアジア圏のお客さんも来店することがあり、本場の味に満足してもらえるのがうれしいそう。劉さんも「みなさんに気軽に食べていただきたいので、値段は安く抑えるように頑張っています」と語るように、毎日でも通いたくなるような普段づかいの名店です。
※価格は取材時(2025年12月)のものです
基本情報
[所在地]札幌市中央区北1条西19丁目2-8 グレーストーンビル1F
[電話]011-555-4425
[営業時間]11:30~15:30(L.O.14:30)、17:00~22:00(L.O.21:30)
[定休日]日曜
運城飯店
地下鉄東豊線「元町」駅5番出口のすぐ近くにある「運城飯店」。お店の前にたくさん並んだ紹興酒の壺が目印です。この場所で20年以上の歴史を刻む中華の名店には、札幌市内や近隣はもちろん、室蘭や釧路からわざわざやって来る常連客もいるとのこと。中国らしい赤を基調とした店内には、家庭的でにぎやかな雰囲気が漂っています。
テーブル席と小上がり席、合わせて60席ほどの店内は、ランチタイムにはすぐに満席になり、外には行列もできるほど。その理由が昼限定のチョイスメニューです。10品のメインメニューから1品選ぶと、サイドメニューの唐揚げ、麻婆豆腐、杏仁豆腐、フルーツ、サラダが食べ放題で、なんと1,080円! お店の藤沢さんは「ついついサービスしたくなってしまって」と笑います。


シェフの王さんは、山西省の運城市で調理会長を務めていた高級調理師。中国の全国料理大会で金メダル5個を含む9個のメダルを獲得しているレジェンドです。山西省の家庭料理で、小麦粉と水と塩で練った生地を専用包丁で削りながら茹でる「刀削麺」をはじめ、多彩なメニューで存分にその腕を振るっています。
札幌市内でも数店舗でしか提供していない刀削麺ですが、麺を一定の長さに削るためには熟練の技術が必要で、中国では「麺点師」などの国家資格になっています。中国料理人の最高位の国家資格「特級厨師」を持つ王さんがリズミカルに麺を削る様子は、まさに神業。素早く削らないと、初めに入れた麺と後に入れた麺の茹で加減に差が出てしまうのです。

おすすめの1品目は、もちろん刀削麺のメニューから。お店の一番人気という、ニラ入りの「韮菜刀削麺(1,080円)」をいただきます。丼から漂う香辛料とニラの香りに、思わずお腹が鳴ってしまいます。削った麺をそのまま茹でる刀削麺は、茹で時間が短く、麺とスープがよくからむのが特徴。見た目ほど辛くはないスープと刀削麺の相性は抜群です。
食べてみると、幅広でプルプルモチモチとした麺の食感が楽しめます。中華麺ともうどんとも違う、これぞ刀削麺という味わいですね。麺そのものが甘いので、コクのあるスープの辛さが引き立ちます。辛さと痺れの中に、ニラの風味がいいアクセントになっていて、次々と箸が伸びて……なるほど、人気があるのも当然の看板メニューです。

おすすめの2品目は、これからメニューに上げるという新作「センマイの辛い煮込み(1,580円)」です。牛のホルモンの一種で、四つある胃袋のうち第三の胃にあたるセンマイは、臭みが少なく、独特のコリコリとした食感が特徴。それを中国の香辛料をたっぷり使って風味豊かに仕上げた王さんの自信作は、ボリュームも満点です。
最初はとても辛く感じますが、食べ進めるうちに慣れてきて、深みのある味わいにどんどん食欲がそそられます。もやしや白菜、きくらげなどの野菜とセンマイが絶妙に調和していて、これと刀削麺を合わせるのもアリなのでは……?と思いながら完食しました。出身地の運城を店名にした王さんの心意気を感じる、本物の中国料理に魅了されたひとときでした。
※価格は取材時(2025年12月)のものです
基本情報
[所在地]札幌市東区北24条東15-1-1 飯法師ビル 1F
[電話]011-743-0605
[営業時間]11:00~14:00(L.O. 13:30)、17:00~22:00(L.O. 21:30)
[定休日]月曜




















