2020年4月、サウナで十勝を盛り上げようと、十勝管内の宿泊施設・病院・DMOにより「十勝サウナ協議会」が設立されました。十勝ならではの地の利とサウナを楽しんで健康になってもらおうという、同協議会の試みについて紹介しましょう。
なぜ十勝でサウナ?
サウナの人気は全国的に高まっていますが、その中でも十勝が選ばれる理由があります。それは1年を通して平均気温がサウナの本場フィンランドに近く、農産物や食文化などの気候風土にも似た部分が多いということです。
国内の環境を比較すると、北海道、とりわけ冬の気温が低い十勝はフィンランドに近く、より本場に近い状態でサウナと外気浴が楽しめるかもしれません。その外気浴のための整備が管内で着々と進んでいます。
十勝ガーデンズホテル
十勝ガーデンズホテルでは、2020年にセルフロウリュができるサウナストーンを設置。男湯側に外気浴スペースを新設し、リクライニングチェアで休憩できるようになりました。限られたスペースをうまく使い、帯広市内の中心部でととのう環境を整備しています。
サホロリゾートホテル
こちらの外気浴スペースは、サホロリゾートホテルの男湯のものです。同ホテルでも2020年にサウナにロウリュを設置。スタッフが敷地内の木を切って手作りした、白樺材やヴィヒタが飾られています。さらにロウリュ用の石には十勝管内清水町の麦飯石を使用しました。
十勝川温泉観月苑
十勝川温泉観月苑では、露天風呂エリアに椅子と大きな桶を設置。露天風呂の湯船から桶にお湯を汲み、足湯しながら外気浴を楽しむことができます。外気浴のために露天風呂からの景観も改善され、さらに心地よさが増しています。このように十勝管内での取り組みをみていくと、単にフィンランドと気候風土が似ているという以上の利点があることに気付きます。
十勝管内でフィンランド式「ロウリュ」が楽しめる施設では、ヴィヒタに豊富な白樺の木、ロウリュ用の石に十勝管内の麦飯石、ロウリュの水はモール温泉、水風呂には気持ちの良い地下水を使用。実は十勝の恵みがぎっしり詰まったサウナの空間なのです。
それに加えて、頭や首周りを保護するサウナハットの開発や、サウナ周りの色調を落ち着いたものに統一する、サウナにテレビを置かないなど、医師の監修のもとで細部までこだわった施設があり、今まで以上にととのいやすい環境整備がされてきました。
何より十勝にはサウナとともに良質の温泉があり、セットで楽しめるのが素晴らしいところです。
温泉銭湯「たぬきの里」
写真は市内の温泉銭湯「たぬきの里」ですが、こういった地元の方が集う温泉銭湯にもかけ流しの温泉・良質な水風呂とサウナがあり、気軽にととのいに行くことができます。
トムラウシ温泉東大雪荘
トムラウシ温泉東大雪荘には、源泉で100度近い温泉水をそのまま使った高温のミストサウナと、原木と湧水を使った冷たい水風呂があります。
紹介した温泉地の詳細はこちら
日本の食料供給基地であり、良質な温泉の宝庫でもある十勝地方。そこに“十勝ならではのサウナ浴”という新たな要素が加わり、「あのサウナに行きたい」という思いが十勝への旅の目的になる方が増えつつあります。
管内に40以上ある個性豊かなサウナの施設を生かし、新たな地域コンテンツとして提供する協議会があり、各施設のサウナが医師からのアドバイスも受けながら運用されているという部分は、利用者にとっても安心感につながります。
十勝サウナ協議会では2020年度にはフィンランド式サウナが楽しめる5施設で利用できる「サウナパスポート」を販売していましたが(2021年2月末で終了)、2021年度以降もそういった企画があるとのこと。また、十勝ならではの「サウナ飯」が登場予定で、今後の情報発信からも目が離せません。
※提供写真はすべて十勝観光連盟より